セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-分子標的治療5・局所治療7

タイトル 肝P-395:

Vp3以上の門脈浸潤を伴った局所進行肝細胞癌に対する集学的治療

演者 永井 英成(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
共同演者 金川 武徳(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 小林 康次郎(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 松井 太吾(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 松清 靖(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 松井 哲平(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 金山 香(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 金山 政洋(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 藤田 泰子(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 籾山 浩一(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 篠原 美絵(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 池原 孝(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 篠原 正夫(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 渡邉 学(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 石井 耕司(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 五十嵐 良典(東邦大医療センター大森病院・消化器内科), 住野 泰清(東邦大医療センター大森病院・消化器内科)
抄録 【背景】sorafenib(SF)の登場により,進行肝細胞癌(aHCC)に対する治療は大きく進歩したが,高度脈管浸潤を伴った局所aHCCに対する集学的治療の標準化は未だなされていない.【目的】Vp3以上の門脈浸潤を合併したaHCC合併LC症例に対する集学的治療における,肝動注化学療法(HAIC),放射線療法(RT),そしてSF投与の有用性を明らかにする.【対象】Child-Pugh class AまたはBで,Vp3以上の門脈浸潤を伴ったStage IVのaHCC合併LC患者で,2002年12月から2009年9月までにHAICを単独導入した19症例(H群)とHAICにRTを併用した7症例(H+RT群),そして2009年6月から2012年9月までにSFを先行投与した後にHAICを導入した16症例(SF+H群)を対象とした.【方法】H群では,Leucovorin 12mg/hrとCDDP 10mg/hrを投与した後に5-FU 250 mg/22hrを投与し,5日間連続投与後2日間休薬を4週間施行,これを可能な限り繰り返した.H+RT群ではHAICを行うと共に脈管浸潤部へ1回2Gy,Totalで50Gy照射した.SF+H群では,SF200~800mg/body/dayを4週間服用したのちHAICを行い,その後SFとHAICを可能な限り交互に行った.【成績】腫瘍進行度はstage IVA/IVBはH群13/6例,H+RT群5/2例,SF+H群12/4例.生存期間中央値(MST)はH群228日,H+RT群288日,SF+H群279日であり,H+RT群はHAIC群に比し有意差を認めなかったが,SF+H群はH群に比し有意な延長を認めた.なお,SF+H群はH+RT群に比し有意な延長を認めなかった.奏功率ではH群15.8%,H+RT群14.3%,SF+H群はSF先行投与後6.3%であったが,HAIC終了後には50.0%へ改善した.【結語】Vp3以上の門脈浸潤を合併したaHCC合併LC症例に対する集学的治療において,H+RT群およびSF+H群はH群に比し延命効果を期待できる可能性が示唆されたが,RTは再照射が難しく,繰り返し投与可能なSF+Hが有用かもしれない.
索引用語 肝細胞癌, 門脈浸潤