セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

原発性肝癌-その他2

タイトル 肝P-400:

第3世代ビスホスホネート剤の肝癌に対する抗腫瘍効果

演者 本田 洋士(広島大病院・消化器・代謝内科)
共同演者 高橋 祥一(広島大病院・消化器・代謝内科), 大野 敦(広島大病院・消化器・代謝内科), 村上 英介(広島大病院・消化器・代謝内科), 河岡 友和(広島大病院・消化器・代謝内科), 三木 大樹(広島大病院・消化器・代謝内科), 柘植 雅貴(広島大病院・消化器・代謝内科), 今村 道雄(広島大病院・消化器・代謝内科), 相方 浩(広島大病院・消化器・代謝内科), 越智 秀典(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 【背景】第3世代ビスホスホネート剤は固形癌骨転移による骨病変に対して使用され,臨床的に骨関連事象の抑制効果や発現までの期間延長が報告されている.一方,in vitroでの抗腫瘍効果についての報告は,その多くが乳癌や前立腺癌など骨転移を来しやすい癌腫についてである.【方法】第3世代ビスホスホネート剤はコレステロール合成に関わるメバロン酸経路中のファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することが知られている.その下流の最終代謝産物であるゲラニルゲラニオール,ファルネソールはRho,Ras等の低分子量G蛋白質の細胞膜への局在(イソプレニル化)に利用され浸潤,増殖等の細胞内シグナル伝達を担う.第3世代ビスホスホネート剤存在下で肝癌細胞株の浸潤能,増殖能を評価した.【結果】肝癌細胞株においてscratch assayにより浸潤能,cell viability assayにより増殖能を測定した.いずれにおいても第3世代ビスホスホネート剤の濃度勾配に従いその細胞機能は抑制された.また第3世代ビスホスホネート剤の存在下において,低分子量G蛋白質の細胞膜への局在が阻害されることを免疫染色にて確認した.【結語】第3世代ビスホスホネート剤は癌腫に関わらず転移性骨腫瘍の治療に導入されているが,他の癌腫と同様に肝癌においても抗腫瘍効果が期待される.
索引用語 肝癌, ビスホスホネート剤