セッション情報 ポスターセッション(肝臓学会)

自己免疫性肝疾患3

タイトル 肝P-407:

PBC症例におけるBezafibrate導入の治療効果の有意性

演者 長谷川 綾平(大垣市民病院・消化器内科)
共同演者 熊田 卓(大垣市民病院・消化器内科), 桐山 勢生(大垣市民病院・消化器内科), 谷川 誠(大垣市民病院・消化器内科), 豊田 秀徳(大垣市民病院・消化器内科), 久永 康宏(大垣市民病院・消化器内科), 金森 明(大垣市民病院・消化器内科), 多田 俊史(大垣市民病院・消化器内科), 北畠 秀介(大垣市民病院・消化器内科), 新家 卓郎(大垣市民病院・消化器内科), 伊藤 隆徳(大垣市民病院・消化器内科), 山本 健太(大垣市民病院・消化器内科), 安藤 祐資(大垣市民病院・消化器内科), 田中 達也(大垣市民病院・消化器内科)
抄録 【目的】PBCは慢性進行性の胆汁うっ滞性肝疾患であり,治療薬としてUDCAが第一選択薬となっているが,Bezafibrateとの併用で治療効果を示す症例も多く報告されている.今回,我々はUDCA単独群とUDCA+Bezafibrate併用群での治療効果について比較検討を行った.【方法】1990年1月から2012年9月までにおける当院でのPBC46症例において,病期,治療経過,診断時からの肝胆道系酵素の推移について調査を行った.【成績】症例は46例.年齢は60歳,男女比は6:40.診断時における臨床病期はaPBC/sPBC=25/21,重症度はPBC用Child-Pugh分類でA/B/C=37/9/0であった.AMA抗体価は全ての症例において陽性であり,肝生検施行例は21例であった.組織的病期は1/2/3/4期=7/8/4/2.治療法はUDCA単独が20例,UDCA+Bezafibrate併用が26例であったが,このうち初回治療はUDCA単独で行い,その後Bezafibrate併用に切り替わった症例は4例であった.併用療法切り替えの誘因はT-Cho上昇によるものが2例,UDCA単独療法での効果不十分によるものが2例であったが,いずれも併用開始1年以内にAST,ALT,γ-GTP,ALPの低下を認めている.いずれもP<0.05.治療開始し1年間でのAST,ALT,γ-GTP,ALP,T-Bil,ALB,PT活性,Pltの推移を2群間比較で検討した.1年間の治療経過で,UDCA単独群ではALT,γ-GTPの2項目が有意に低下し,UDCA+ Bezafibrate併用群ではAST,ALT,γ-GTP,ALPの4項目が有意な低下を示していた.いずれもP<0.05.なお,併用期間中に副作用である横紋筋融解症は今回の対象例では1例も認めなかった.【結語】UDCA単独群に対しUDCA+Bezafibrate併用群において,肝胆道系酵素は広範囲の項目で優位な低下を示した.UDCA単独治療で治療効果の乏しいPBC症例に,Bezafibrateを併用することでの治療効果は期待できると判断する.
索引用語 PBC, Bezafibrate