セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

食道・咽頭-手術治療 1

タイトル 外P-6:

メッシュを使用した腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術の治療成績

演者 小村 伸朗(東京慈恵会医大・消化管外科)
共同演者 矢野 文章(東京慈恵会医大・消化管外科), 坪井 一人(東京慈恵会医大・消化管外科), 星野 真人(東京慈恵会医大・消化管外科), 山本 世怜(東京慈恵会医大・消化管外科), 秋元 俊亮(東京慈恵会医大・消化管外科), 石橋 由朗(東京慈恵会医大・消化管外科), 中田 浩二(東京慈恵会医大・消化管外科), 三森 教雄(東京慈恵会医大・消化管外科), 柏木 秀幸(東京慈恵会医大・外科), 矢永 勝彦(東京慈恵会医大・外科)
抄録 【背景】腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復後の再発危険因子は,5cmを超える滑脱型食道裂孔ヘルニアと混合型食道裂孔ヘルニアであることをこれまでに報告してきた.2011年2月以後,上記のヘルニアもしくはBMI 28.0以上を満たす症例にメッシュを用いた修復術を施行することとした.【目的】食道裂孔ヘルニアに対するメッシュを用いた腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術の治療成績を検討した.【対象と方法】2011年2月から2013年3月までに18例(男性9例,平均年齢65.6±13.5歳,BMI 24.9±3.4ただし28以上3例)に対して同手技を施行した.術前病態,術中・術後経過を検討した.使用したメッシュはデュアルメッシュが17例,1例がパリテックスコンポジットメッシュ・ハイアタル型であった.横隔膜脚を縫縮した後にデュアルメッシュを馬蹄形にトリミングし,メッシュを伸展した状態で,食道の背側から横隔膜脚縫合部を中心に非吸収糸で固定した.【成績】食道裂孔ヘルニアの程度はAFP分類でA1:3例,A2:7例,A3:8例であった.Valve factorは1例を除きV3であり噴門の緩みを認めた.逆流性食道炎を8例に認め,うち7例はLos C以上であった.下部食道括約筋圧は18.8±8.0 mmHg,括約筋長は3.7±0.7 cmであった.手術時間は179±42(112~249)分,術中出血量の中央値は≒0,術中合併症,輸血例,開腹移行例はなかった.術後は全例が2日目に食事を開始し,術後在院日数の中央値は7(7~16)日であった.術後にプロトンポンプ阻害薬の投与が必要な症例は2例(11%)のみであった.経過観察中に食道裂孔ヘルニアの再発と逆流性食道炎 grade Aの再発を各々1例(6%)に認めた.メッシュに関連した合併症は認めなかった.【結語】メッシュを用いた腹腔鏡下食道裂孔ヘルニア修復術の治療成績は良好であった.
索引用語 食道裂孔ヘルニア修復術, メッシュ