セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

食道・咽頭-手術治療 3

タイトル 外P-13:

胃管癌に対する低侵襲治療としての外科縮小手術例の検討

演者 島田 英雄(東海大大磯病院・外科)
共同演者 西 隆之(東海大大磯病院・外科), 福光 寛(東海大大磯病院・外科), 藤平 威明(東海大大磯病院・外科), 新田 美穂(東海大大磯病院・外科), 町田 隆志(東海大大磯病院・外科), 山本 壮一郎(東海大八王子病院・外科), 伊東 英輔(東海大・消化器外科), 数野 暁人(東海大・消化器外科), 名久井 実(東海大・消化器外科), 葉梨 智子(東海大東京病院・外科), 千野 修(東海大東京病院・外科), 幕内 博康(東海大東京病院・外科), 小澤 壯治(東海大・消化器外科)
抄録 【はじめに】食道癌術後胃管癌に対する胃管全摘術は再建経路により再開胸や胸骨縦切開等の,極めて侵襲の高い切除と再建術式となる.【目的】胃管全摘を回避するため,進行度や局在を考慮し,内視鏡的切除術(ER),部分切除術,右胃大網動静脈を温存しての幽門側胃管切除術を行っている.治療成績を含め胃管癌に対する縮小治療の可能性について報告する.【対象と方法】今までに経験した胃管癌症例は30例でERは10例で外科手術例は17例である.胃管部分切除術を8例に,胃管癌の局在が幽門前庭部であった3例に胃管切除領域の辺縁血管のみを結紮処理し右胃大網動静脈を温存する幽門側胃管切除術を施行した.【成績】ERの10例は全例粘膜癌でEMR施行8例のうち2例に局所再発を認めた.胃管部分切除術の8例は右胃大網動静脈を確認して胃管を露出,術前に装着したマーキングクリップを確認し部分切除を施行した.T1b:5例でT1a:3例であり,局所および転移再発例は認めない.幽門側胃管切除術は3例で各再建経路につき経験した.後縦隔再建例は食道癌術後4年目で幽門前庭部の3型胃管癌例.胸骨後再建例は食道癌術後7年目で幽門前庭部のIIc多発例.胸壁前再建例は食道癌術後3年目で幽門前庭部にIIc多発例.本術式は,1.進行度による胃管癌の根治性.2.残胃管の右胃大網動脈血行.3.切除後の腹腔内また胸壁前再建の可否4.リンパ節郭清範囲などが選択要因となる.残胃管血行評価には術前の3D-CTにて右胃大網動脈走行の確認が有用であった.現在までに局所および転移再発例は認めない.【結語】早期癌ではERが第一選択であるが胃管粘膜での範囲診断が問題と思われた.またERの適応外病巣に対する胃管部分切除術および幽門前庭部の病巣に対する幽門側胃管切除術は胃管癌に対する低侵襲な外科縮小手術として有用と思われた.
索引用語 食道癌, 胃管癌