セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

食道・咽頭-手術治療 5

タイトル 外P-25:

食道癌,術前化学療法後の再発経過と再発後のNedaplatin+Docetaxel療法の検討

演者 鈴木 邦士(がん・感染症センター都立駒込病院・外科)
共同演者 三浦 昭順(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 了徳寺 大郎(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 加藤 剛(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 出江 洋介(がん・感染症センター都立駒込病院・外科), 藤原 純子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科), 門馬 久美子(がん・感染症センター都立駒込病院・内視鏡科)
抄録 【目的】食道癌術後の再発ではその予後は1年前後であり,その治療は確立されていない.特に,5FUを主体とする術前化学療法(Neoadjuvant chemotherapy;NAC)は標準治療となった状況下で,その後の再発に関しては予後,治療など未だ確立されていない.当科では,Stage II,III食道癌に対してFAP療法によるNACを標準治療とし,その再発症例に対しては2nd lineとしてNedaplatin+Docetaxel療法(ND療法)を行っている.今回,ND療法の有効性について,当科におけるretrospectiveのデータを用いて検討した.【対象と方法】2011年までに当科にてStage II,III胸部食道癌と診断,FAP療法によるNAC後,手術を施行した85例中,その後再発し,ND療法を施行した31例をretrospectiveに検討した.【結果】男女比=30:1.年齢中央値は62(39-76)歳.NACとしてのFAP療法の効果はCR:PR:SD:PD=0:6:25:0,奏効率は19%であった.術後再発までの中央値(MST)は6.6か月,1年以内に再発した症例は22例70%,2年以内では28例90%であった.再発からのMSTは13.6ヶ月,1生率は53%であった.再発後に施行したND療法の効果はCR:PR:SD:PD=0:9:13:9で,奏効率は29%,SD以上では70%であった.ND療法の奏効別でみるとMSTは奏効例,非奏効例それぞれ,14.0か月,11.1か月と有意差は認めなかったもののND療法の奏効例に予後良好な傾向を認めた.また,ND療法においてPDであった症例に限るとMST8.8ヶ月であり予後不良であったのに対し,70%をしめるSD以上では14.0ヶ月と奏効群とほぼ同等の成績であった.【結語】FAP療法によるNAC後の再発症例の予後は依然として不良であった.当科で行う2nd lineとしてのND療法は,PDであれば予後は厳しいが,70%以上をしめるSDを得られれば予後延長効果が得られることが示唆された.
索引用語 食道癌, 再発