セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)食道・咽頭-集学的治療 |
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タイトル | 外P-29:胸部食道癌切除後癌遺残例及び再発例に対するCRTの意義 |
演者 | 中川 悟(県立がんセンター新潟病院・外科) |
共同演者 | 番場 竹生(県立がんセンター新潟病院・外科), 藪崎 裕(県立がんセンター新潟病院・外科), 土屋 嘉昭(県立がんセンター新潟病院・外科), 瀧井 康公(県立がんセンター新潟病院・外科), 野村 達也(県立がんセンター新潟病院・外科), 丸山 聡(県立がんセンター新潟病院・外科), 松木 淳(県立がんセンター新潟病院・外科), 梨本 篤(県立がんセンター新潟病院・外科) |
抄録 | 【目的】食道癌治療において化学放射線療法(CRT)は外科切除を補完するため,癌遺残(R1/2)例や再発例の一部に施行されている.当院で食道切除後R1/2例及び再発例に対してCRTを施行した症例を検討し,CRTの意義を考察した.【方法】2005年から2011年に胸部食道癌にてD2以上のリンパ節(LN)郭清+食道切除術施行226例を対象とした.男性189例,女性37例,年齢中央値66歳,組織型は扁平上皮癌/ 腺癌/ その他:218/ 6/ 2,主局在はUt / Mt / Lt:17 / 123/ 86であった.pStage は0/ I/ II/ III/ IVa/ IVb:24/ 29/ 61/ 80/ 28/ 4であり,術前化学療法(CT)は128例(57%)に施行されていた.癌遺残度は,R0/ 1/ 2:195/ 16/ 15で,再発はR0 195例中75例(38%)に認め,5年生存率は57%であった.【結果】[R1/2例]R1 16例中9例に術後加療を行い,5例にCRT,3例にCT,1例に放射線療法(RT)が選択されていた.CRT 5例(pRM1:4例,pPM1:1例)中3例が無再発生存,2例が血行性再発していた.R2 15例中11例に術後加療が施行され,1例にCRT,9例にCT,1例にRTが選択されていた.CTを施行した2例が長期生存している.R1/2例に対する術後CRTはR1例の一部に奏効する.[再発症例]再発形式は,LN 45例(郭清内LN 22例),血行性16例,LN+血行性12例,播種1例,吻合部1例であった.LN45例中19例(郭清内LN 13例)と吻合部再発1例にCRTが施行され,8例が原病死,1例が他病死(担癌),11例が生存し,生存11例中7例は無治療で経過観察している.LN再発,特に小範囲のものに対してはCRTが有効である.【結語】胸部食道癌切除例におけるCRTは,R1例および小範囲のLN再発例には奏効しその予後も期待できる.しかしR2例には効果は期待できない. |
索引用語 | 食道癌, CRT |