セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

食道・咽頭-集学的治療

タイトル 外P-30:

食道癌術後再発に対する化学放射線療法の検討

演者 浅海 吉傑(福井県立病院・外科)
共同演者 宮永 太門(福井県立病院・外科), 石山 泰寛(福井県立病院・外科), 石橋 玲子(福井県立病院・外科), 松永 正(福井県立病院・外科), 西田 洋児(福井県立病院・外科), 伊藤 朋子(福井県立病院・外科), 平能 康充(福井県立病院・外科), 前田 一也(福井県立病院・外科), 大田 浩司(福井県立病院・外科), 道傳 研司(福井県立病院・外科), 服部 昌和(福井県立病院・外科), 橋爪 泰夫(福井県立病院・外科), 玉村 保裕(福井県立病院・核医学科)
抄録 食道癌術後再発に対する治療は化学放射線療法,化学療法,放射線療法などその再発形式や全身状態を考慮し選択される.今回我々は当院で治療を行った食道癌根治手術後の再発症例に対するFP療法を用いた化学放射線療法(以下CRT)の有効性について検討を行った. 2004年1月~2012年12月まで当院で治療を行った食道癌症例187例中手術症例は63例であった.そのうち再発例は24例(38.1%)で,再発例に対しCRTを行った症例は17例であり.その他7例には手術が4例,化学療法,RFA,ステント治療が行われた.CRTを行った17例中化学療法に標準量のFP療法を用いた症例は11例あり,手術から再発までの期間の中央値は317日であった.再発例の病期の内訳は0期1例,I期2例,II期2例,III期6例であった.再発形式は全例縦隔リンパ節再発で,そのうち1例は骨転移を伴っていた.放射線療法は10例では58~64Gyの照射が行われ,1例は放射線40Gyと陽子線20Gyの照射であった.1例は有害事象のため34Gyで中止となった.治療効果はCRを4例(36.4%)に認めCR継続期間中央値1278日(871-1666日)であり3例が生存中である.またPRは5例(45.5%)に認め再発後の平均生存期間中央値は230日(131-926日)であった.有害事象としては1例で気管縦隔瘻を認め縦隔炎を発症し継続不能となったがその他の症例では完遂可能であった.晩期障害では放射線性胃管炎により貧血をきたし,輸血および高圧酸素療法を行った症例,投薬治療を要した間質性肺炎をそれぞれ1例に認めた. 再発例に対するCRTは重篤な合併症も起こりえる治療法であり慎重な観察を要するが,有効な治療法と考えられた.
索引用語 食道癌術後再発, 化学放射線療法