セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
食道・咽頭-集学的治療
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タイトル |
外P-31:食道癌に対する術前化学療法+食道亜全摘術後の早期再発の危険因子
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演者 |
吉田 直矢(熊本大大学院・消化器外科学) |
共同演者 |
渡邊 雅之(熊本大大学院・消化器外科学), 馬場 祥史(熊本大大学院・消化器外科学), 石本 崇胤(熊本大大学院・消化器外科学), 岩上 志朗(熊本大大学院・消化器外科学), 坂本 快郎(熊本大大学院・消化器外科学), 宮本 裕士(熊本大大学院・消化器外科学), 馬場 秀夫(熊本大大学院・消化器外科学) |
抄録 |
【はじめに】JCOG9907の報告以降,切除可能なステージ2,3胸部食道癌に対しては,術前化学療法が標準治療と位置づけられている.しかしこのような治療を行っても早期に再発する症例が存在する.【目的】術前化学療法後に食道亜全摘術を行った後,早期に再発する症例の背景因子を調べ,どのような症例にほかの治療を選択すべきかを明らかにする.【対象と方法】2008年8月~2012年9月にかけて術前化学療法後に食道亜全摘を行った食道癌89例を対象とし,早期再発(180日以内,18例)の危険因子をretrospectiveに検討した.【結果】まず再発の有無で検討すると,再発の危険因子はcN2以上(p=0.027),術前化学療法の効果(SD+PD,p=0.001),pT3-4(p=0.012),pT(大きさ,p<0.001),pN2以上(p<0.001),pN個数(p<0.001),pCur(B,C,p<0.001),ly+(p<0.001),v+(p<0.001)であった.早期再発の危険因子は,術前化学療法の効果(SD+PD,p=0.042),sCur(B,C,p=0.014),pT3-4(p=0.015),pN2以上(p<0.001),pN個数(p=0.039),pCur(B,C,p<0.001),ly+(p=0.006),v+(p<0.001)であった.またClavien-Dindo分類3b以上の重症合併症発生症例は,早期再発が多い傾向にあった(p=0.059).化学療法によるSCC,CEAの陰転化は再発および早期再発の減少と関連がなかった.術前SCC,CEA高値も再発,早期再発と関連がなかった.症例数が少なく,多変量解析では有意な因子を明らかにすることはできなかった.【考察と結語】化学療法による奏功が得られない症例では早期再発が多く,手術以外の方法が検討されるべきと考える.手術を行った後,早期再発に注意する因子としては,pT3-4,pN2以上,pN個数が多い,pCurB,C,ly+,v+が挙げられ,これらを満たす症例には,術後により強力な治療が望まれる.また,術後の重症合併症発生症例は早期の再発に注意して観察する必要がある.さらなる多数例での多変量解析により独立因子を明らかにすることが望まれる. |
索引用語 |
術前化学療法, 食道癌 |