セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

食道・咽頭-その他 1

タイトル 外P-33:

pMM以深の食道扁平上皮癌の内視鏡切除例における再発症例の検討

演者 太田 正穂(東京女子医大・消化器外科)
共同演者 成宮 孝祐(東京女子医大・消化器外科), 工藤 健司(東京女子医大・消化器外科), 白井 雄史(東京女子医大・消化器外科), 井上 雄志(東京女子医大・消化器外科), 中村 努(東京女子医大八千代医療センター・消化器外科), 佐藤 拓也(東京女子医大八千代医療センター・消化器外科), 大杉 治司(東京女子医大八千代医療センター・消化器外科), 山本 雅一(東京女子医大・消化器外科)
抄録 T1b食道癌に対する手術治療は標準治療であるが,high risk症例や手術拒否患者に対してはESDがおこなわれることも少なくない.また相対的適応としてEMR/ESDがおこなわれる場合もあり,MM以深のEMR/ESDがおこなわれる機会は増加している.今回EMR/ESDを施行したpMM以深の症例の治療経過につき検討した.対象:1999~2013年に前治療なくEMR/ESDを施行したpMM~SMで,cN0M0の食道扁平上皮癌70例を対象とした.EMR/ESD後に原則として化学療法,放射線療法,化学放射線療法(CRT),手術治療が追加治療としておこなわれたが追加治療不能・拒否例もみられた.結果:pMM 33例,pSM1 20例,pSM2以深17例であった. 脈管侵襲陽性例はpMM 9例(30%),pSM1 8例(40%),pSM2以上10例(59%)であった.治療内容はEMR/ESD単独治療40例(57%),化学療法追加16例(23%),CRT追加9例(13%),手術治療5例(7%)であった.再発は7例でみられ,pMM 2例,pSM1 2例,pSM2以深3例であり,うち原病死2例であった.pMMではly(+)のESD単独例で8か月後に肝転移,腹部LN再発し原病死した1例とly(-),INFbのESD単独例で33カ月後に106rR再発例がみられ,摘出+化学療法付加でコントロールされた1例であった.pSM1ではly(+)のESD+CRT例で6カ月後にIMと104R再発をして原病死した1例とly(+)のESD単独例で14カ月後に106tbL再発をみとめて摘出+化療でコントロールされた1例であった.pSM2ではly(+)のESD単独例で36か月後に101L再発をみとめて摘出術でコントロールされた1例とly(+)ESD+CRT例で6カ月後にLN14再発をみとめて化療を付加した後他病死した1例,ly(+), pVM1のCRT例で18ヶ月後にLN7~16再発した1例であった.結論:pMM以深のESD/ENR症例の治療経過は比較的良好に思われたが,再発例も散見された.再発病変のコントロールの可否は再発形式によると思われた.
索引用語 食道腫瘍, 内視鏡切除