セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
食道・咽頭-その他 1
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タイトル |
外P-36:食道癌術後における早期喀痰と肺炎時喀痰の培養結果の相違点
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演者 |
山本 壮一郎(東海大八王子病院・外科) |
共同演者 |
幕内 博康(東海大八王子病院・外科), 田島 隆行(東海大八王子病院・外科), 宇田 周司(東海大八王子病院・外科), 三朝 博仁(東海大・消化器外科), 伊東 英輔(東海大・消化器外科), 数野 暁人(東海大・消化器外科), 島田 英雄(東海大大磯病院・外科), 千野 修(東海大・消化器外科), 葉梨 智子(東海大東京病院・外科), 西 隆之(東海大大磯病院・外科), 新田 美穂(東海大大磯病院・外科), 小澤 壯治(東海大・消化器外科) |
抄録 |
[目的]食道癌術後の重篤な合併症のひとつに肺炎があり,その予防・対策は術後管理のなかで大きな割合を占める.今回われわれは術後早期喀痰と臨床的肺炎の起因菌との相違を調べ,対策の一助になりうるか検討した.[対象と方法]対象は2011年から12年に開胸操作を伴う食道癌手術症例45例とした.本検討における細菌培養結果は術後3日以内に採取した吸引喀痰培養結果と,周術期管理中での膿性喀痰,発熱,画像検査での浸潤影から臨床的肺炎と判断した際に提出したものを用いた.[結果]男性37例,女性8例,平均年齢62.0歳,術式はすべて右開胸開腹手術を行った.再建臓器は胃管が42例,回結腸が2例であった.再建経路は胸壁前41例,胸骨後2例,後縦隔1例,胸腔内1例であった.臨床的肺炎があったものは3例(6.7%),術後1カ月程度の肺炎を含めると計5例(11.1%)あった.肺炎を起こした3例の術後早期培養結果は2例がNormal floraのみで,1例にEnterobacter が検出された.肺炎時培養結果は,症例1はMRSA,Enterobacter, S.maltophilia, Corynebacterium sp.,症例2は H.influenzae,症例3はEnterobacter,St.pneumonia(PISP),H.influenzaであった.また臨床的肺炎を認めなかった18例のうちで術後早期に細菌を検出した症例が12例(66.7%)あって,臨床的肺炎症例でみられた細菌に加えてP. aeruginosa, S. aureusなどが検出されていた.[考察]食道癌術後早期喀痰の培養結果は臨床的肺炎にならなくとも高頻度に検出されたが,肺炎の起因菌として反映していなかった.臨床的肺炎をきたす起因菌はH. influenza,Enterobacterが共通しており,抗菌薬の第一選択はこれらに対するスペクトラムのある薬剤と考えられた.また菌交代なども考慮し随時培養検査を追加していくことが重要と思われた. |
索引用語 |
食道癌, 合併症 |