セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

食道・咽頭-その他 1

タイトル 外P-37:

当科における超高齢者食道癌手術症例の検討

演者 島川 武(東京女子医大東医療センター・外科)
共同演者 浅香 晋一(東京女子医大東医療センター・外科), 山口 健太郎(東京女子医大東医療センター・外科), 横溝 肇(東京女子医大東医療センター・外科), 塩澤 俊一(東京女子医大東医療センター・外科), 吉松 和彦(東京女子医大東医療センター・外科), 勝部 隆男(東京女子医大東医療センター・外科), 成高 義彦(東京女子医大東医療センター・外科)
抄録 【目的】近年,社会の高齢化に伴い食道癌患者の年齢層も同様に高齢化している.そこで80歳以上の超高齢者食道癌患者にも,安全に手術を行えるかを明らかにする目的で当科の手術症例を検討した.【対象と方法】1999年1月から2013年3月までに当科で経験した食道癌手術例279例のうち,80歳以上の超高齢者食道癌症例15例(5.4%)を検討対象とした.検討項目は背景因子(年齢,性別,PS,併存疾患の有無),呼吸機能,腫瘍の占居部位,臨床病期,手術術式,術後合併症,予後について行った.【結果】年齢は80歳から88歳で平均82.4歳.性別は男性が11例,女性は4例.PSは0から1.併存疾患は,高血圧5例,悪性腫瘍の手術歴3例,糖尿病2例,脳梗塞2例,肺気腫1例を認めた.呼吸機能は閉塞性障害4例,拘束性障害を1例,混合性障害を2例認めた.病期はStageIが4例,StageIIが6例,StageIIIが5例であった.術式は右開胸食道亜全摘術+2領域リンパ節郭清 10例,右開胸食道亜全摘術+3領域リンパ節郭清 1例,左開胸開腹食道亜全摘術+2領域リンパ節郭清 1例,経食道裂孔的食道切除術 2例,下部食道・噴門側胃切除術 1例であった.術後合併症は9例(60%)に認めた.内訳は,不整脈と術後せん妄をそれぞれ3例認めた.他には肺炎,乳糜胸,反回神経麻痺,イレウス,吻合部狭窄,偽膜性腸炎,高ビリルビン血症を1例ずつ認めたが,重症肺炎や縫合不全などは認めなかった.これらの合併症はいずれも保存的治療で軽快した.また手術関連死亡もなく,全例軽快し退院が可能であった.術後在院日数は平均38日であった.【結語】超高齢食道癌患者の手術は,術前評価,術式の選択,術前・術後管理を適切に行えば安全に施行可能と考えられた.
索引用語 食道癌, 超高齢者