セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

食道・咽頭-その他 2

タイトル 外P-40:

MRI拡散強調像による食道癌化学放射線療法の早期効果判定

演者 首藤 潔彦(帝京大ちば総合医療センター・外科)
共同演者 今西 俊介(千葉大大学院・先端応用外科学), 松原 久裕(千葉大大学院・先端応用外科学), 山崎 将人(帝京大ちば総合医療センター・外科), 小杉 千弘(帝京大ちば総合医療センター・外科), 村田 聡一郎(帝京大ちば総合医療センター・外科), 幸田 圭史(帝京大ちば総合医療センター・外科)
抄録 【目的】食道癌補助療法の治療効果判定では「原発巣は測定不能病変であり,新たなモダリティーによる判定基準が検討されるべき」とされている.CRTの有害事象は無視できるものではなく個別化治療の観点からもCRTの治療効果予測が重要視されている.MRI拡散強調像(DWI)は組織内細胞密度を反映した画像として臨床応用されはじめた新しい診断法であり,被爆やコスト面でCTやPETと比較し優越性を有する.食道癌CRTの早期治療効果判定におけるDWIの有用性を検討した.【方法】cT4食道癌23例.CRTは5-FU 500mg/m2+CDDP 15mg/m2; d1-5 + long T 40Gy/20fr.MRI撮像は治療前,20Gy終了直後(2週),40Gy終了直後(4週)に撮像.DWI Sequence: 1.5T,SENSE-STIR-EPI,TR/TE 10000/75,b=0,1000,thk 3mm.DWI/T2 fusion像にて腫瘍部位を同定し,ADC mapを用いADC(拡散係数; x10-6mm2/s)を計測した.最終的な治療効果判定はCT,透視を用い総合評価した.臨床的奏効例/非奏効例に分類しADCの変化を比較した.【成績】奏効例,非奏効例のADCは治療前,20Gy,40Gyで各々0.89 vs. 0.95(N.S.),1.15 vs. 0.95(P<0.05),1.53 vs. 1.06(P<0.01)であり,治療前と比較した奏効例,非奏効例のADC増加率は各々20Gy後で34% vs. 6%(P<0.01),40Gy後で76% vs. 12%(P<0.01)であった.奏効例では20Gy後に有意なADCおよびADC変化率の上昇を認めた.【結論】無被爆,低コストの観点からもDWIは食道癌CRTの臨床的治療効果の早期判定に有用であり,今後CRT治療予測に応用できる可能性が示唆された.
索引用語 食道癌, MRI