セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)食道・咽頭-その他 2 |
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タイトル | 外P-41:Barrett 食道癌切除例の臨床病理学的検討 |
演者 | 森田 勝(九州大大学院・消化器・総合外科学) |
共同演者 | 安藤 幸滋(九州大大学院・消化器・総合外科学), 井田 智(九州大大学院・消化器・総合外科学), 木村 和恵(九州大大学院・消化器・総合外科学), 伊藤 修平(九州大大学院・消化器・総合外科学), 佐伯 浩司(九州大大学院・消化器・総合外科学), 沖 英次(九州大大学院・消化器・総合外科学), 池田 哲夫(九州大大学院・消化器・総合外科学), 楠本 哲也(九州大大学院・消化器・総合外科学), 前原 喜彦(九州大大学院・消化器・総合外科学) |
抄録 | 【目的】Barrett 食道癌の臨床病理学的特徴を明らかに治療戦略を明らかにする.【方法】1984-2012年に切除した食道癌920 例中,腺癌は27 例(約2.9%)に認め,うち7例(0.8%)がBarrett 食道癌と診断された.これに関連病院症例4 例(1例はEMR)を加え,11例のBarrett 食道癌の臨床病理学的検討を行うとともに,Barrett癌と診断されなかった腺癌とも比較した.【結果】内視鏡的切除例はBarrett食道の経過観察中に発見されたm2癌であった.術前より内視鏡にて8例がBarrett 食道癌と診断されていたが,他の3例は切除標本の病理学的検索で判明した.背景食道粘膜はshort segment Barrett 食道(SSBE)7例,long segment Barrett 食道(LSBE)4例であった.Barrett 食道内における腫瘍の位置が同定できた7例中6例はBarrett 食道の口側に存在し,他の1 例は中央にあった.10例が高分化腺癌で,深達度はT1:7例,T3: 4例であった.手術例は下部食道切除9例(うち5例は胃全摘を伴う),食道亜全摘1例で,とくに下縦隔と腹部リンパ節郭清を重視した.T3 症例の1 例を除き生存中である.一方,Barrett食道癌と診断されなかった腺癌21例中表在癌は4例(19%)のみで,切除後の5年生存率は36%であった.【考察】(1) Barrett 食道癌と診断された症例中64%が表在癌である一方で,診断されなかった腺癌では浸潤癌が81%と多いことより,癌の進行に伴いBarrett 上皮が癌に覆われ診断できない症例も多いと考えられた(2)Barrett 食道癌はSSBE にも多く発生し,酸の暴露が多いと考えられるBarrett 食道癌の肛門側に必ずしも多いわけではない.(3)Barrett 食道癌では表在癌が多いこともあるが,切除後の予後は良好であり,下縦隔・腹部リンパ節の郭清に重点をおくべきと考えられた. |
索引用語 | Barrett食道, 食道腺癌 |