セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
食道・咽頭-その他 3
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タイトル |
外P-47:免疫調整流動食MHN-02を用いた食道癌周術期栄養管理
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演者 |
山辻 知樹(川崎医大・総合外科学) |
共同演者 |
田村 卓也(川崎医大・総合外科学), 石田 尚正(川崎医大・総合外科学), 高岡 宗徳(川崎医大・総合外科学), 繁光 薫(川崎医大・総合外科学), 林 次郎(川崎医大・総合外科学), 吉田 和弘(川崎医大・総合外科学), 浦上 淳(川崎医大・総合外科学), 羽井佐 実(川崎医大・総合外科学), 猶本 良夫(川崎医大・総合外科学) |
抄録 |
【目的】侵襲の大きい消化器癌周術期管理では,高血糖や重症感染症等の合併症に難渋する.我々はこれまでパラチノースを主糖質源とした流動食MHN-01(Inslow:インスロー)の血糖抑制効果,脂質代謝改善効果を動物実験にて示し,食道癌周術期における有用性を示すために臨床試験を行った.MHN-01で得られた基礎から臨床試験の知見をもとに,同じくパラチノースを糖質源として開発された免疫調整流動食MHN-02(MEIN:メイン)を食道癌周術期管理に導入した.MHN-02は乳清に含まれるホエイペプチドとn-3系脂肪酸を強化することにより,動物モデルでは抗炎症作用を持つことが示されている.現在我々はMHN-02を用いた食道癌周術期管理における臨床的有用性について検討を行っている.【対象】2013年2月までに手術を行った食道癌患者10名(男性9名女性1名)にMHN-02を導入し,retrospectiveに血液生化学検査や合併症発症率などを解析.【方法】腹部操作中に経腸栄養チューブを十二指腸から刺入,先端を空腸内へ誘導.術後2-3日目より持続経腸栄養を開始し,6-7日目に60-70ml/h ; 1,440-1,680kcal/日とする.【結果】経腸栄養増量中に下痢を1例に認めた他には特記すべき消化器症状は認めず.1例に重症肺炎を発症した他には重篤な呼吸器合併症を認めず.術後3日,7日目の白血球数は各々9,990±1,430/mm3, 8,080±590 /mm3, CRPは16.1±1.2 mg/dl, 8.3±1.4mg/dlであった.明らかな肝機能・腎機能障害も認めなかった.現在長期予後について観察中である.【結論】新規免疫調整流動食MHN-02による食道癌周術期栄養管理の有用性について議論し,新しい周術期栄養管理手技としての方向性を示す.既存の流動食あるいはMHN-01との無作為比較試験を計画中であり,今後臨床的有用性のエビデンスを示したい. |
索引用語 |
食道癌, 経腸栄養 |