セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-手術治療 2

タイトル 外P-54:

当科における大腸癌肝転移切除症例の検討

演者 田中 宏(東住吉森本病院・外科)
共同演者 清田 誠志(東住吉森本病院・外科), 金沢 源一(東住吉森本病院・外科), 酒部 克(東住吉森本病院・外科), 形部 憲(東住吉森本病院・外科), 伊藤 得路(東住吉森本病院・外科), 三城 弥範(東住吉森本病院・外科), 慶元 正洋(東住吉森本病院・外科), 池辺 孝(東住吉森本病院・救急・総合診療部)
抄録 【はじめに】抗癌化学療法の進歩により肝転移合併大腸癌の切除率は向上している.今回,当科における化学療法併用肝切除の治療成績を検討した.【対象と方法】2007年7月から2012年10月に肝切除が施行された大腸癌肝転移は49例(男34,女15)で,年齢は44-82(中央値67)才.肝転移診断時期は,大腸と同時(同時性)18例,大腸切除後(異時性)22例,肝転移切除後の肝内再発(再発)9例であった.【結果】同時性18例中,大腸・肝同時切除4例,大腸切除後2期的肝切除6例,術前化学療法併用後の肝切除8例であった.これらにおける術後補助化学療法は16例(89%)に施行された.一方,異時性肝転移切除22例中,術前,術後の化学療法はそれぞれ14, 18例(63, 82%)に施行された.再発肝切除の9例では,術前後に多剤併用化学療法が4例に併用されたが,術後の経口のみが2例,全く行われなかったのが3例であった.肝切除術式は,葉切除以上13例,区域切除18例,亜区域切除以下18例で,在院死亡例はなく,術後入院期間は9-66(中央値19)日であった.全49例における術後1,2,3,4年生存率は88, 72, 46, 28%で,観察期間2年以上の初回肝切除24例に限ると,それぞれ92, 83, 53, 33%であった.術後3年以上再発を認めない症例は3例で,肝切除時の年齢は72, 78, 80才,同時性1例,異時性2例で,術前化学療法(Bv/FOLFOX)が1例に施行され,全例に経口抗癌剤による術後補助化学療法が施行されていた.【考察】化学療法と肝切除を組み合わせることにより肝転移合併大腸癌の治療成績は向上しているが,個々の症例における適切な化学療法レジメンと肝切除のタイミングなどさらなる検討が必要である.
索引用語 肝転移, 肝切除