セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
肝臓-手術治療 3
|
タイトル |
外P-58:原発性肝癌取扱い規約StageIII,IV肝癌切除例の検討
|
演者 |
落合 登志哉(京都府立与謝の海病院・外科) |
共同演者 |
石井 博道(京都府立与謝の海病院・外科), 当麻 敦史(京都府立与謝の海病院・外科), 山本 有祐(京都府立医大大学院・消化器外科学), 森村 玲(京都府立医大大学院・消化器外科学), 生駒 久視(京都府立医大大学院・消化器外科学), 大辻 英吾(京都府立医大大学院・消化器外科学) |
抄録 |
【背景,目的】高度進行肝癌の予後は不良で今後はsorafenib内服や5FU/CDDP動注等の術後補助化学療法が考慮される.そのためには原発性肝癌取扱い規約StageIII,IVで定義される高度進行肝癌の臨床病理学的特徴を理解する必要がある.今回当科で切除したStageIII,IV肝癌症例についてその治療成績を解析した.【対象,方法】対象は当科で肉眼的に治癒切除を行えた2000年から2011年8月までの原発性肝癌173例で取扱い規約によるStageはそれぞれI /II/III/IV=35/88/36/14であった.StageI,IIを早期群,StageIII,IVを高度進行郡とし,臨床病理学的に比較検討した.StageVIの症例は除外した.【結果】早期群と比較して,高度群は宿主因子として有意にHBsAg陽性が多く,ICG15分値が低かった.また腫瘍因子として腫瘍径が大きく,複数病変,脈管侵襲が多いのは当然として血清AFPが高値,肉眼型で単結節型・単結節周囲増殖型が少なかった.さらに肝外再発が多く,肝内単発再発が少なかった.外科因子としては術前の塞栓療法併用,系統切除,区域切除以上の肝切除,術中出血量が多く手術時間が長かったが治癒度Bとなる症例が多かった.術後在院日数も長期であった.Kaplan-Meier法による術後3年,5年生存は早期群92.2,89.2%,高度群69.6,65.8%.術後3年,5年無再発生存は早期群 53.9,30.2%,B群35.4,18.9%と有意に層別化された.高度群の無再発生存の有意な危険因子は肝外再発ありでありmarginal significantは術前塞栓療法施行,肝内転移ありであった.また,生存の危険因子は肝外再発あり,腫瘍径20mm以上でmarginal significantは非系統切除であった.【まとめ】高度進行肝癌症例は取扱い規約に規定されたT因子のみならず肉眼形態や腫瘍マーカー,肝外転移再発など腫瘍の悪性度が高いことが示唆された.従っての予後向上の為には系統切除に加えて,肝癌の悪性度を考慮した補助療法が必要と考えられた. |
索引用語 |
肝細胞癌, 肝癌取扱い規約 |