セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-手術治療 3

タイトル 外P-61:

胆道癌術後肝転移に対する肝切除例の検討

演者 小橋 俊彦(県立広島病院・消化器外科)
共同演者 中原 英樹(県立広島病院・消化器外科), 眞次 康弘(県立広島病院・消化器外科), 高倉 有二(県立広島病院・消化器外科), 大石 幸一(県立広島病院・消化器外科), 池田 聡(県立広島病院・消化器外科), 漆原 貴(県立広島病院・消化器外科), 板本 敏行(県立広島病院・消化器外科)
抄録 【目的】胆道癌の術後肝転移は多発性であることが多く,その予後は不良であり,いまだ長期生存に寄与する有効な標準的治療が確立されていない現状がある.しかし,単発性の術後肝転移再発に対しては,肝切除による長期生存例が近年報告されており,当科でもこれまでに5例の胆道癌術後肝転移に対して肝切除を行い,最長3年10カ月の無再発生存例を認めている.今回,これら5例の胆道癌術後肝転移再発に対する肝切除症例を検討したので報告する.【方法】当科でこれまでに施行した胆道癌術後肝転移再発に対する肝切除5例を対象とした.各症例の原疾患・初回治療・転移時期・肝切除を含めた再発治療などについて検討した.【成績】原疾患は,肝門部胆管癌1例,中部胆管癌2例,下部胆管癌1例,乳頭部癌1例で,全例男性であり,肝切除時の平均年齢は65.4歳であった.初回術式は,膵頭十二指腸切除3例,拡大肝右葉切除1例,肝膵頭十二指腸切除1例で,2例にGemcitabineによる術後補助化学療法を6コース施行した.初回術後より平均31カ月(10~75カ月)で肝転移を認め,全て単発性転移であった.2例は術前化学療法後に肝切除を行い,3例は肝切除のみを施行した.肝切除は全て部分切除を施行した.肝切除後の平均観察期間は18.3カ月とまだ短く,1例を術後23.9カ月で癌死にて失ったが,その他の4例は無再発生存中(3カ月~3年10カ月)である.【結論】胆道癌は治癒切除後の再発もまれではなく,肝転移再発は最も多いとの報告がある.肝転移再発は多くは多発性であり,全身化学療法や肝動注療法を行うことが多く,切除対象となることは少ない.今回5例の検討で,肝転移再発を認めた際,単発例に限り 肉眼的に切除可能と判断した場合は,積極的に肝切除を行うことで長期生存を期待できる可能性が示唆された.
索引用語 胆道癌術後肝転移, 肝切除