セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)肝臓-手術治療 4 |
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タイトル | 外P-66:肝切除適応判断における領域別肝予備能評価法の意義 |
演者 | 飯室 勇二(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)) |
共同演者 | 近藤 祐一(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 裴 正寛(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 田中 肖吾(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 中村 育夫(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 鈴村 和大(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 麻野 泰包(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 平野 公通(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)), 藤元 治朗(兵庫医大・外科(肝・胆・膵外科)) |
抄録 | 画像解析の進歩により,肝亜区域・区域体積の多様性,領域別肝機能の不均一性,などが判明しており,肝切除における正確な残肝機能予測には領域別肝予備能の把握が重要である.今回,region-growing法による術前領域別肝体積評価およびアシアロシンチグラフィー(GSA-SPECT)とCTデータの統合画像による領域別肝機能評価の意義を検討した.【方法】CTデータに基づくregion-growing法により,詳細な肝領域別体積を算出し,肝切除適応の判断材料とした.また,GSA-SPECT/CT統合画像による肝領域別機能の評価を行い,切除適応判断における有用性を検討した.【結果】Region-growing softwareで算出した領域別肝体積の比率は,個々の症例で多様であり,特に前区域領域の占める比率のばらつきが大きかった(25-44%).肝腫瘍に対する前治療(RFA,TACE,PTPE)や,高度な線維化および門脈腫瘍栓のない症例では,領域別肝予備能は比較的均一であり,従来の肝予備能検査(C-Pスコア,ICGR15など)と正確な予定切除率(残肝体積比率)から切除適応判断は可能であった.一方,複数の前治療や高度線維化,門脈腫瘍栓を伴う症例では,GSA-SPECT/CT統合画像による領域別肝機能評価(残肝予測GSA取り込み率;LUR)が有用であり,残肝予備能の温存を重視した術式選択が可能であった.一方,全肝LUR低下例では,局所切除又は他治療が選択された.残肝予測LURと術後1週の血清T.Bil(p<0.05),PT活性(P<0.01),choline esterase活性(P<0.01)は有意に相関し,残肝LURが30%程度の症例では術後黄疸が遷延した.術後肝不全症例は,感染因子を除けば,予測残肝領域機能低下例であった.【まとめ・考察】均一な領域別肝予備能が予測される症例では,従来の肝予備能検査と切除肝体積の術前把握が,硬変肝・有前治療症例・門脈腫瘍栓症例などではGSA-SPECT/CT統合画像などによる領域別肝予備能評価が肝切除適応の判断に有用であると考えられる. |
索引用語 | 肝予備能, アシアロシンチ |