セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
肝臓-集学的治療 1
|
タイトル |
外P-71:化学療法新時代における転移性大腸癌の治療戦略
|
演者 |
所 隆昌(藤田保健衛生大・肝脾外科) |
共同演者 |
加藤 悠太郎(藤田保健衛生大・肝脾外科), 竹浦 千夏(藤田保健衛生大・肝脾外科), 香川 幹(藤田保健衛生大・肝脾外科), 棚橋 義直(藤田保健衛生大・肝脾外科), 伊藤 泰平(藤田保健衛生大・肝脾外科), 新田 隆士(藤田保健衛生大・肝脾外科), 杉岡 篤(藤田保健衛生大・肝脾外科) |
抄録 |
【緒言】オキザリプラチンやCPT-11を中心とした多剤併用化学療法や分子標的薬の開発により大腸癌化学療法の奏効率は飛躍的に向上し約2年のoverall survialも期待できるようになった.われわれの施設での経験をもとに化学療法新時代の大腸癌の治療戦略について検討した.【対象】症例は2008年1月1日より2012年12月31日までに当科にて肝切除術を施行した116例を対象とした.術前化学療法の予後に与える影響を検討した.さらに術後観察期間が2年以上であった69例を対象として予後不良因子について検討した【結果】全症例の平均肝転移個数は3.59個(1-34)でH1:74例,H2:30例,H3:10例,不明2例であった.切除回数は1回90例2回17例3回7例,不明2例であった.肝転移出現時期は同時55例,術後6ヶ月以内21例,1年以内6例,1年以上32例であった.術前化学療法なしが34例,UFT14例,UFT/UZEL19例,FOLFOX21例,FOLFIRI3例,Xelox11例,Xeloda単独4例,その他3例,不明6例であった.術前化学療法の有無による生存率に有意差は認めなかった(p=0.3955).また術前化学療法のレジメによりa群:UFTまたはUFT/UZEL,b群:FOLFOXまたはFOLFIRI,Xelox群として予後を比較したが有意差はなかった(p=0.8575).術後2年以上生存した症例と2年以内に死亡した症例との比較ではリンパ節転移個数3個以上(p=0.006),肝転移個数3個以上(p=0.041)が有意に予後不良因子であった.【結語】術前化学療法は切除率を向上させるが,明らかな生存率延長効果はなかった.また3個以上のリンパ節転移や,3個以上の多発肝転移症例は切除しても予後不良であった.しかし分子標的薬を含んだ化学療法の観察期間が短く十分な検討ができなかったこともあり今後更なる検討が必要である. |
索引用語 |
大腸がん, 化学療法 |