セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
肝臓-集学的治療 2
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タイトル |
外P-76:大腸癌肝転移症例における初回肝切除前の化学療法の意義に関する検討
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演者 |
青笹 季文(防衛医大・外科) |
共同演者 |
安部 紘生(防衛医大・外科), 杉原 崇生(防衛医大・外科), 小岩井 智美(防衛医大・外科), 前島 理(防衛医大・外科), 木村 暁史(防衛医大・外科), 西山 潔(防衛医大・外科), 上野 秀樹(防衛医大・外科), 初瀬 一夫(防衛医大・外科), 長谷 和生(防衛医大・外科), 山本 順司(防衛医大・外科) |
抄録 |
【目的】大腸癌肝転移症例における初回肝切除後の再発率,無再発生存期間(DFS)を検討し,肝切除前化学療法の意義について比較した.【方法及び成績】2008-2012年に当科で大腸癌肝転移に対して初回肝切除を施行した109例を対象とした.1) 肝転移診断時H1:71例,H2:35例,H3:3例であり,38例(35%)は化学療法を行った後に肝切除を施行,化学療法施行率はH1:18%(13/71),H2:63%(22/35),H3:100%(3/3)であり,H stageと化学療法施行率との間に有意差を認め(p<0.01),H1とH2,3の2群間でもH1:18%(13/71),H2,3:66%(25/38)と有意差を認めた(p<0.01).2) 肝切除後53例(49%)が再発,DFS中央値は17.9ヶ月,再発部位は残肝のみ20例(38%),肺のみ11例(21%),肝肺同時4例(6%),その他であった.3) H stage別の再発率はH1:42%(30/71),H2:63%(22/35),H3:33%(1/3)であり,H1とH2,3の2群間でH1:42%(30/71),H2,3:61%(23/38)と再発率に差を認めなかったがDFSはH1の方が有意に長かった(p<0.01).4) 化学療法なし71例中32例(45%),化学療法あり38例中21例(55%)が再発,化学療法の有無と再発率に関連を認めなかったが,DFSは化学療法ありの方が有意に短かった(p<0.05).5) H2,3症例38例での検討では,化学療法なし13例中3例(23%),化学療法あり25例中12例(48%)が再発,化学療法の有無と再発率に関連を認めず,またDFSも両群間に有意差を認めなかった.【結語】大腸癌肝転移症例のH stageと再発率に関連は認めなかったが,肝切除後のDFSはH1が有意に長かった.また肝切除前に化学療法を施行した方がDFSは有意に短いものの化学療法の有無と再発率に関連は認めず,H2,3症例のみでは再発率,DFS共に化学療法有無の関与は認めなかった.当科の治療方針を2011年よりH1:化学療法を施行せず肝切除施行,H2,3症例:化学療法施行後に肝切除施行,に変更した影響も考えられるが,肝切除前化学療法の適応を含めてさらに検討していく必要がある. |
索引用語 |
大腸癌, 肝転移 |