セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-術後合併症 1

タイトル 外P-77:

肝切除におけるSSI発生因子の解析

演者 土居 浩一(済生会熊本病院・外科センター)
共同演者 杉山 眞一(済生会熊本病院・外科センター), 井上 耕太郎(済生会熊本病院・外科センター), 金光 敬一郎(国立熊本南病院), 高森 啓史(済生会熊本病院・外科センター)
抄録 【はじめに】肝切除後の感染症は在院日数の延長や術後のQOLを低下させる要因となるため注意が必要である.今回我々は肝切除におけるSSI発生関連因子を解析した.【方法】2008年1月から2012年12月に当科にて肝腫瘍に対して肝切除を実施した92例を対象にSSIサーベイランスを行い,SSI発生に関与する因子について後ろ向きに検討した.【結果】対象症例の年齢中央値は70歳(35-84歳),男女比は74/18で疾患の内訳は肝細胞癌58例,転移性肝腫瘍19例,肝内胆管癌10例,その他5例であった. SSI全体の発生率は10.9%であり,そのうち表層切開創SSIは20%,深部切開創SSIは 10%,臓器・体腔SSIは70%であった.SSI発生に関与する術前全身評価項目として,血糖値,ビリルビン,アルブミン値,PT活性等の血液検査値やICG15分値に関してはSSI陽性群と陰性群間では有意差は認めなかった.手術因子についてはSSI陰性群と陽性群の手術時間は各々344±130分 ,416±190分であり有意差を認めなかった(p=0.12).出血量 についても各々509±765ml,749±445mlで有意差は認めなかった (p=0.16).胆道再建はSSI陽性群に有意に多かった(2.4% vs 30%) (p<0.005).また術後在院日数は11.8±4.8日と42.7±38日と有意にSSI陽性群で延長が認められた(p<0.001).SSIに関与する独立因子について多変量解析を行った結果,胆道再建 (HR 11.62, p<0.001)が抽出された.【結語】胆道再建を伴う肝切除後のSSI発生に留意する必要がある.
索引用語 肝切除, SSI