セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-術後合併症 1

タイトル 外P-78:

膵頭十二指腸切除術後の肝切除における術後合併症の検討

演者 水間 正道(東北大病院・肝胆膵外科)
共同演者 乙供 茂(東北大病院・肝胆膵外科), 高橋 弥生(東北大病院・肝胆膵外科), 川口 桂(東北大病院・肝胆膵外科), 青木 豪(東北大病院・肝胆膵外科), 藪内 伸一(東北大病院・肝胆膵外科), 深瀬 耕二(東北大病院・肝胆膵外科), 大塚 英郎(東北大病院・肝胆膵外科), 坂田 直昭(東北大病院・肝胆膵外科), 岡田 恭穂(東北大病院・肝胆膵外科), 中川 圭(東北大病院・肝胆膵外科DELIMITER東北大大学院・統合がん治療外科学), 林 洋毅(東北大病院・肝胆膵外科), 森川 孝則(東北大病院・肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大病院・肝胆膵外科), 元井 冬彦(東北大病院・肝胆膵外科), 内藤 剛(東北大病院・肝胆膵外科), 片寄 友(東北大病院・肝胆膵外科DELIMITER東北大大学院・統合がん治療外科学), 江川 新一(東北大病院・肝胆膵外科DELIMITER東北大災害科学国際研究所・災害医療国際協力学), 海野 倫明(東北大病院・肝胆膵外科DELIMITER東北大大学院・統合がん治療外科学)
抄録 <目的>最近,当教室では,主に胆管癌術後の肝転移であるが,化学療法の進歩によるものか,少数個で発見される肝転移症例をしばしば経験するようになり,それとともに膵頭十二指腸切除術(以下PD)後の肝転移に対する肝切除を経験するようになってきた.PD後の肝切除は,初回手術の肝切除に比べ出血や胆管炎関連の感染症のリスクが高いと考えられることから,術後合併症のリスクも高いと想定される.今回,PD後の肝切除における術後合併症を検討することを目的とした.<対象と方法>2007年4月から2013年3月まで,PD後に肝切除を施行した11例対象とし,術式,出血量などの手術因子,SSIを中心とした術後合併症について検討した.<結果>男性9例,女性2例で,年齢は51~70歳,平均年齢は61.0歳であった.糖尿病は3例(27.3%)で,術前に化学療法を施行されている症例を9例(81.8%)認めた.疾患は,肝転移が10例(90.9%),肝内結石症が1例(9.1%)であった.肝転移の原疾患は中・下部胆管癌が7例(70.0%)であり,通常型膵癌,膵腺房細胞癌,膵神経内分泌腫瘍(pNET)がそれぞれ1例であった.術式の内訳は,部分切除が7例(63.6%),区域切除が1例(9.1%),葉切除が3例(27.3%)であった.手術時間は146-720分(中央値306分),出血量は201-4160ml(中央値1370ml)であった.術後合併症においては,胆汁漏は4例(36.4%),SSIは全体で6例(54.5%)あり,表層切開創SSI 3例(27.3%),深部切開創SSIはなし,臓器体腔SSI 5例(45.4%)と,胆汁漏とSSIの頻度が高かった.術死が1例あり,死因は脳梗塞であった.<考察>症例数が少ないため,さらなる症例の集積が必要ではあるが,PD術後の肝切除においては,胆汁漏とSSIの発生頻度が高いことが示唆される.
索引用語 肝切除, 膵頭十二指腸切除