セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)肝臓-術後合併症 1 |
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タイトル | 外P-79:肝切除術後胆汁漏における感染に関する多施設共同研究 |
演者 | 清水 潤三(大阪労災病院・外科) |
共同演者 | 村上 昌裕(大阪労災病院・外科), 野田 剛広(市立豊中病院・外科), 堂野 恵三(市立豊中病院・外科), 松井 康輔(関西医大・外科), 海堀 昌樹(関西医大・外科), 權 雅憲(関西医大・外科), 林 道廣(大阪医大・一般・消化器外科), 廣川 文鋭(大阪医大・一般・消化器外科), 中多 靖幸(近畿大・外科), 中居 卓也(近畿大・外科), 坂田 親治(大阪市立大・肝胆膵外科), 竹村 茂一(大阪市立大・肝胆膵外科), 久保 正二(大阪市立大・肝胆膵外科) |
抄録 | 肝切除術後の胆汁漏と細菌感染の関係について多施設のデータを集計し検討したので報告する.方法:2008年1月から2010年12月の間に在阪6施設で施行された胆道再建を伴わない肝切除術症例において,術後胆汁漏を来した症例を集計した.胆汁漏の定義は(1)肉眼的なドレーンからの胆汁流出(2)ドレーン排液の総ビリルビン値が血清総ビリルビン値の3倍以上(3)ドレーン排液中の総ビリルビン値が5 mg/dL以上,の3所見が3日間以上持続した場合,胆汁漏と診断した.ドレーン排液の細菌培養陽性症例の発生頻度,細菌感染の原因について検討を行った.結果:6施設で3年間に1105症例の胆道再建を伴わない肝切除術が施行され,53症例(4.8%)に胆汁漏を認めた.胆汁漏を来した症例のうち細菌感染を認めた症例は34症例(64.2%)であった.腸管由来と想定される細菌が検出されたのは15症例(44.1%)(以下G群),皮膚由来と想定される細菌が検出されたのは19症例(55.9%)(以下S群)であった.予防的腹腔内ドレーン挿入率はG群33.3%S群94.7%と有意にS群で高率であった(P=0.0002).胆汁漏と診断された術後日数はG群19.1±10.8日,S群7.5±6.6日とS群で有意に早期に診断されていた(P=0.0006).胆汁漏の治癒までに要した日数もG群115.2±99日,S群48.5±80日とS群で早期に治癒する傾向を認めた(P=0.06).考察:肝切除術胆汁漏のドレーン排液培養結果が腸管由来の細菌である場合,胆汁漏が遷延することが判明した.原因として十二指腸乳頭部機能の低下等が想定される.肝切除術後胆汁漏において腸管由来の細菌が検出された場合長期化する可能性があり注意を要する. |
索引用語 | 肝切除術, 胆汁漏 |