セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-化学療法

タイトル 外P-90:

膵癌切除例における術後補助化学療法非完遂例の検討-術後血清アルブミン値の重要性-

演者 田中 正樹(神戸大大学院・肝胆膵外科学)
共同演者 松本 逸平(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 新関 亮(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 浅利 貞毅(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 後藤 直大(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 椋棒 英世(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 白川 幸代(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 山下 博成(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 石田 潤(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 岡崎 太郎(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 高橋 応典(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 武部 敦志(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 木戸 正浩(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 味木 徹夫(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 福本 巧(神戸大大学院・肝胆膵外科学), 具 英成(神戸大大学院・肝胆膵外科学)
抄録 背景と目的:切除可能膵癌に対する標準治療は切除+術後補助化学療法であるが,その成績は未だ不良である.今回,術後補助化学療法施行例を検討し,補助療法非完遂例の危険因子を明らかにし,治療成績の向上を図ることを目的とした.対象と方法: 2000年1月から2012年12月までに膵癌術後補助化学療法施行132例中,術後6ヶ月以内の早期再発27例を除いた105例を,術後補助化学療法完遂群75例と有害事象により完遂できなかった30例(非完遂群)の2群に分け,比較検討した.術後補助化学療法は塩酸ゲムシタビン(1000mg/m23週投与1週休薬を6コース)を原則とした.結果:男性55人,女性50人.年齢中央値66歳.術式はPD 72例,DP 31例,TP 2例.UICC StageIA 5, IB 4, IIA 29, IIB 42, III 12, IV 13. MST,5年生存率は完遂群48.9m,42.7%,非完遂群17.8m,17.1%で完遂群の方が有意に良好であった.非完遂群の危険因子の解析では,単変量解析では術前WBC,術前リンパ球数,術後TP,術後ChE,術後Albが有意な因子として抽出されたが,多変量解析では術後Alb値のみが有意な因子であった(Odds Ratio:35.34, 95%Cl :0.02-0.26, P=0.0004).術後Albの中央値は完遂群3.5g/dl,非完遂群2.9g/dlでありカットオフ値をROC curveを用いて求めると3.2g/dlであった.術後Alb 3.1 g/dl以下および3.2g/dl以上の症例のMST,5年生存率は,それぞれ22.4m, 23.1%,48.9, 40.3%で生存率に優意差を認めた(P=0.007).結論:術後低アルブミン血症は補助化学療法非完遂の危険因子であることが示唆された.
索引用語 膵癌, 術後補助化学療法