セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-化学療法

タイトル 外P-92:

膵頭部癌における術前化学療法の効果に関する臨床病理学的検討

演者 牧野 勇(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科)
共同演者 北川 裕久(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中川原 寿俊(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 田島 秀浩(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 柄田 智也(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中沼 伸一(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 岡本 浩一(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 酒井 清祥(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 古河 浩之(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 中村 慶史(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 林 泰寛(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 尾山 勝信(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 井口 雅史(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 宮下 知治(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 高村 博之(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 二宮 致(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 伏田 幸夫(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 宮本 正俊(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 藤村 隆(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科), 太田 哲生(金沢大・消化器・乳腺・移植再生外科)
抄録 【目的】当科では膵癌の治療成績向上のためゲムシタビンを主体とした術前化学療法を行っている.今回,術前化学療法の効果に関する臨床病理学的検討を行った.【対象と方法】2007年以降,化学療法後に切除を行った25例(potentially resectable(PR)18例,borderline resectable(BR)7例)を対象とした.化学療法の組織学的効果はEvans grading systemに準じて分類し,術前化学療法導入直前の25例(PR14例,BR11例)を対照群として,各群における癌進展の組織学的因子を比較した.また,化学療法有効症例の組織学的所見および相当する画像所見を明らかにすべく検討を行った.【結果】術前化学療法の臨床的効果はPR,SD,PDがそれぞれ4,20,1例で,組織学的効果はEvans grade I,IIa,IIb,IIIがそれぞれ3,16,5,1例であった.術前化学療法症例のRP,PL,N,ly,v,neの頻度は72%,48%,60%,92%,88%,96%で,対照群は76%,76%,76%,100%,100%,100%であり,PLのみが有意に低率であった.組織学的効果がIIb以上の6症例はIIa以下の19症例に比べ有意にリンパ節転移が少なく脈管侵襲が軽度であった.IIb以上の6例のうち,腫瘍辺縁部が線維化で置換され中心部に癌細胞が残存した症例が4例,腫瘍中心部の壊死とその辺縁に存在する癌細胞を認めた症例が1例,腫瘍のほぼ全体において広範な線維化のなかにまばらに残存する癌細胞を認めた症例が1例確認された.このうち画像診断でPRと判定した症例は4例で,他の2例はいずれも腫瘍辺縁が線維化に置換され組織学的にはIIbの効果がみられたが,画像上はSDと判定された.【結語】化学療法後の癌の進展範囲を画像にて正確に診断することは困難な場合があり,化学療法前の進展範囲を考慮して切除を行う必要がある.
索引用語 膵頭部癌, 術前化学療法