セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-集学的治療 1

タイトル 外P-98:

切除不能局所進行膵癌に対する放射線化学療法後のAdjuvant Surgeryの適応 ~FDG-PETによる効果判定に関して~

演者 岡野 圭一(香川大・消化器外科)
共同演者 山本 尚樹(香川大・消化器外科), 大島 稔(香川大・消化器外科), 近藤 彰宏(香川大・消化器外科), 浅野 栄介(香川大・消化器外科), 西村 充孝(香川大・消化器外科), 阪部 雅章(香川大・消化器外科), 西澤 祐吏(香川大・消化器外科), 赤本 伸太郎(香川大・消化器外科), 藤原 理朗(香川大・消化器外科), 臼杵 尚志(香川大・消化器外科), 鈴木 康之(香川大・消化器外科)
抄録 NCCNガイドラインでは上腸間膜動脈(SMA)・腹腔動脈(CA)に180度以上の腫瘍浸潤を認めるものは切除不能膵癌(Unresectable: UR)と定義されている.そのような症例においても放射線化学療法(CRT)が奏功する事があるが,その外科切除適応や手術時期に関するエビデンスは未だない.我々は2011年より局所進行UR膵癌に対して統一したプロトコールによりCRT(5FU+Radiation:54Gy)を施行し,FDG-PETで治療効果判定を行ったうえで切除可能と判断できれば積極的に手術を行う方針としている.同プロトコールで治療した4症例中3例がPETでSUVmax3.0以下となりR0手術が施行できたので症例を呈示する.症例1:61歳男性,CA,脾動脈,総肝動脈は全周性,SMAは180度に浸潤を認めURと判断しCRTを施行した.PET-CTでは治療前SUVmax:3.99 であったFDG集積は治療後に指摘できなくなった.CA19-9 は治療前1254U/mlから正常値まで減少した.総肝動脈をCoilingした後にDP-CARを施行した.症例2:66歳男性,後方進展が強く総肝動脈,上腸間膜静脈は全周性,SMAは180度近く腫瘍に接しURと判断しCRTを施行した.PET-CTでは治療前SUVmax:9.06 であった集積は治療後8ヶ月で指摘できなくなった.CA19-9 は治療前347U/ml から正常値まで減少した.総肝動脈をCoilingした後にDP-CARを施行した.術後は胃排出遅延を認めた.症例3:59歳男性,総肝動脈,胃十二指腸動脈,上腸間膜静脈に全周性の浸潤を認めてURと判断しCRTを施行した.PET-CTではSUVmax:4.3 であった集積は治療後3ヶ月で2.6 に減少しPDを施行した.3症例ともにR0が得られ,病理学的に著効(GradeIIa)していた.現在まで術後17,12,3ヶ月で明らかな再発は認めない.各症例ともにCTでの効果判定は困難であったが,FDG-PETが最終判定に有用であった.
索引用語 膵癌, 放射線化学療法