セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-集学的治療 2

タイトル 外P-103:

局所進行膵体部癌に対する術前化学放射線療法+腹腔動脈合併膵体尾部切除術の治療成績

演者 谷口 浩一(横浜市立大・消化器・腫瘍外科)
共同演者 松山 隆生(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 森 隆太郎(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 野尻 和典(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 熊本 宜文(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 武田 和永(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 上田 倫夫(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 秋山 浩利(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 田中 邦哉(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 遠藤 格(横浜市立大・消化器・腫瘍外科)
抄録 【背景】教室では局所進行膵体尾部癌に対する新たな治療ストラテジーとして,2008年より術前化学放射線療法を前提として腹腔動脈合併膵体尾部切除術(DP-CAR)を施行している.【目的】局所進行膵体部癌に対する術前化学放射線療法+腹腔動脈合併膵体尾部切除術の治療成績を検討する.【対象と方法】2008年から2012年12月までにCTで脾動脈根部周囲の浸潤を疑った9例に対し,術前化学放射線療法としてTS-1 60mg/m2+塩酸ゲムシタビン1000mg/m2 2コースの後,TS-1+radiation 30Gy施行し治療効果がSD以上の症例を切除した.術後短期・長期成績を検討した.また,2001年から2008年までのCTで脾動脈周囲浸潤を疑い通常の膵体尾部切除を行った16例(DP群)と生存率を比較した.【結果】DP-CAR9例の年齢中央値69歳(52-79)であり,術前治療効果はPR3例,SD6例であった.手術時間中央値508分(464-672),出血量中央値381ml(100-970)であり輸血を要した症例は無かった.術後合併症は4例(44%)に認め,2例にGradeBの膵液漏,1例にGradeCの膵液漏,1例に腹腔内膿瘍を認めたが,全例軽快退院し術後在院期間の中央値は30日(16-108)であった.術後病理結果は全例でR0が得られ,局所制御は良好であった.術後アヘンチキンの投与を要する難治性下痢は1例のみに認めた.2年生存率(DP-CAR群87%:DP群29%),生存期間中央値(DP-CAR群29ヶ月:DP群10ヶ月)とDP-CAR群が良好であった.【結語】術前化学放射線療法を併用したDP-CARは局所制御良好であり,長期治療成績を改善する可能性が示唆された.
索引用語 腹腔動脈合併膵体尾部切除術, 術前化学放射線療法