セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-基礎研究

タイトル 外P-109:

膵癌におけるSMAD4発現の臨床的意義- 腫瘍進展と再発形式との相関 -

演者 山田 豪(名古屋大大学院・消化器外科学)
共同演者 藤井 努(名古屋大大学院・消化器外科学), 神田 光郎(名古屋大大学院・消化器外科学), 小林 大介(名古屋大大学院・消化器外科学), 田中 千恵(名古屋大大学院・消化器外科学), 中山 吾郎(名古屋大大学院・消化器外科学), 杉本 博行(名古屋大大学院・消化器外科学), 小池 聖彦(名古屋大大学院・消化器外科学), 野本 周嗣(名古屋大大学院・消化器外科学), 藤原 道隆(名古屋大大学院・消化器外科学), 小寺 泰弘(名古屋大大学院・消化器外科学)
抄録 [背景] SMAD4はTGF-β経路における癌抑制遺伝子であり,膵癌では欠失や変異により50%以上が不活化されている.近年,SMAD4発現の有無が腫瘍の進展や再発形式とも相関していることが指摘されているが,十分な検証はなされていない.[対象・方法] 当教室において,2004年4月から2010年3月までに切除を施行した174例の膵癌を対象とした.切除標本によりSMAD4の免疫染色を施行し,腫瘍部において染色が認められるものをSMAD4(+),認められないものをSMAD4(-)とし,臨床病理学的因子,再発形式,予後との相関を統計学的に解析した.[結果]1. SMAD4(+)は70例(40.2%),SMAD4(-)は104例(59.8%)であった.臨床病理学的因子との相関を検討すると,SMAD4(-)では有意に門脈浸潤(P = 0.046),リンパ管浸潤(P=0.029),膵内神経浸潤(P=0.035)を認めていた.全生存期間を解析すると,生存期間中央値はSMAD4(-): 14.3ヶ月,SMAD4(+): 36.2ヶ月(P < 0.0001),無再発生存期間ではSMAD4(-): 8.9ヶ月,SMAD4(+): 21.5ヶ月であり(P < 0.0001),有意差を認めた.多変量解析においても,SMAD4(-)は独立予後規定因子であった(OR: 4.004,P < 0.0001).2. NCCNガイドラインのBorderline resectable膵癌の定義に基づき,術前MDCTにより亜分類すると,SMAD4陽性率は血管浸潤なし: 50.6%,門脈浸潤陽性: 38.1%,総肝動脈浸潤陽性: 23.5%,上腸間膜動脈浸潤陽性: 19.2%と有意な相関を認めた.3. 後腹膜もしくはリンパ節再発を局所再発群,肝/腹膜/肺などの再発を遠隔再発群,両者を認めるものを局所・遠隔再発群とすると,SMAD4陽性率は局所再発群: 41.0%,局所・遠隔再発群: 33.3%,遠隔再発群: 26.3%と相関を認めた.[考察] SMAD4は膵癌の予後規定因子であるだけでなく,SMAD4(+)は局所浸潤にとどまり,SMAD4(-)は遠隔転移をきたしやすい傾向が示され,集学的治療の一助になる可能性が示唆された.
索引用語 膵癌, SMAD4