セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)膵臓-その他 1 |
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タイトル | 外P-113:膵癌術後補助療法としてのGEM併用MUC1-CTL療法 |
演者 | 松井 洋人(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学) |
共同演者 | 硲 彰一(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 徳光 幸生(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 橋本 憲輝(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 新藤 芳太郎(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 前田 祥成(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 飯田 通久(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 徳久 善弘(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 坂本 和彦(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 鈴木 伸明(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 為佐 卓夫(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 吉村 清(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 上野 富雄(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 吉野 茂文(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学), 岡 正朗(山口大大学院・消化器・腫瘍外科学) |
抄録 | 【背景】教室では膵癌治癒切除例に対し術後補助療法として,膵癌細胞に高発現する糖鎖抗原MUC1を特異的に認識する自己リンパ球移入療法(MUC1-CTL療法)を先進医療として施行している.また,2007年からはGemcitabine(GEM)を併用した.【目的】今回,GEM併用MUC1-CTL療法の治療成績及びバイオマーカーを検討した.【対象と方法】2007年1月~2011年3月まで当科で施行した膵癌肉眼的治癒切除後,本療法を施行した26例に対し,無再発生存期間,肝再発率,生存率について検討を行った.また,術式,進行度,腫瘍因子,術前の各種腫瘍マーカー,白血球数,好中球/リンパ球比,末梢血サブセット,CRPやビリルビンなどの生化学検査値,移入時のリンパ球サブセット,移入時のリンパ球個数を用いて単変量及び多変量解析を行い,予後因子を検討した.【細胞の誘導】手術の2~3日前にLeukapheresisにて患者から採取したPBMCと不活化ヒト膵癌細胞株YPK-1(MUC1強発現株)を3日間混合培養し,さらに低容量IL-2刺激下で7日間培養しMUC1-CTLを誘導した.これを術後1週間以内に経静脈投与し,術後のべ3回投与を基本とした.【臨床的結果】平均年齢は64.7歳,Stage3:11例,Stage4a:10例,Stage4b:5例であり,R0:22例,R1:4例であった.無再発生存期間は中央値で9.3か月,肝再発率は38.4%,局所再発率は19.2%であった.全生存率は1年69.2%,2年38.4%,5年23.5%であり,MSTは21.2カ月であった.また1年以上の無再発症例は12例,2年以上の生存症例は10例であった.2年以上の生存症例では術前末梢血の白血球数が有意に低値であり,多変量解析でも独立した予後因子であった.【考察】膵癌術後補助療法としてのGEM併用MUC1-CTL療法は,肝転移を抑制し生存率向上の可能性が期待された.また,術前の末梢血の白血球数は予後予測のバイオマーカーとなりうる可能性が示唆された. |
索引用語 | 膵癌, 細胞療法 |