セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-その他 1

タイトル 外P-114:

術前血清SPAN-1抗原は浸潤性膵管癌の早期再発予測因子である

演者 細川 勇一(東京医大・3外科)
共同演者 永川 裕一(東京医大・3外科), 松土 尊映(東京医大・3外科), 土方 陽介(東京医大・3外科), 許 文聰(東京医大・3外科), 菊地 哲(東京医大・3外科), 鈴木 芳明(東京医大・3外科), 粕谷 和彦(東京医大・3外科), 勝又 健次(東京医大・3外科), 土田 明彦(東京医大・3外科)
抄録 浸潤性膵管癌(以下,膵癌)の腫瘍マーカーとしてはCEA,CA19-9が広く知られているが,CEAは比較的陽性率が低く,CA19-9は良性疾患における偽陽性率が高いことも事実である.その一方で,SPAN-1抗原は膵癌において陽性率が高く偽陽性率も低いため,膵癌マーカーとして有用である.今回我々は膵癌切除後の早期再発(6か月)予測因子について検討したので報告する.【対象と方法】2000年4月~2012年8月に当科にてR0もしくはR1切除を行った浸潤性膵管癌120例のうち,外科的切除後6カ月以上follow可能であった98症例を対象とした.【結果】98例のうち57例(58%)に再発を認め,再発期間中央値は10.8(1.9-79.9)カ月であった.初再発部位(重複含む)は肝転移29例(51%),腹膜播種10例(18%),リンパ節転移14例(48%),局所再発9例(16%),肺転移7例(12%)であった.6カ月以内に再発(早期再発)した症例は15例であり,再発部位は肝転移10例(67%),腹膜播種5例(33%),リンパ節転移3例(20%),局所再発2例(13%),肺転移1例(7%)例であった.単変量解析(性別,年齢,CA19-9,CEA,DUPAN-2,SPAN-1,術前療法,術後療法,腫瘍部位,TS因子,T因子,N因子,病理,ly因子,v因子,ne因子,PV浸潤,Resectable/borderline)ではCA19-9>100U/ml(P=0.005),CEA>10ng/ml(P<0.001),SPAN-1抗原 >37U/ml(P=0.002),R1切除(P=0.021),病理(低分化型)(P=0.022)が早期再発の危険因子であった.多変量解析ではSPAN-1抗原 >37U/ml(P=0.027),CEA>10ng/ml(P=0.028)が独立した早期再発の危険因子であった.【結語】術前SPAN-1抗原はCEAと同様,膵癌の早期再発予測因子として有用である.
索引用語 膵癌, 再発