セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
膵臓-その他 2
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タイトル |
外P-119:膵頭十二指腸切除術における当科の膵空腸吻合
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演者 |
坂本 照尚(鳥取大・病態制御外科) |
共同演者 |
吉本 美和(鳥取大・病態制御外科), 渡邉 淨司(鳥取大・病態制御外科), 徳安 成郎(鳥取大・病態制御外科), 遠藤 財範(鳥取大・病態制御外科), 奈賀 卓司(鳥取大・病態制御外科), 池口 正英(鳥取大・病態制御外科) |
抄録 |
膵頭十二指腸切除後の膵瘻は,時に術後に致命的な合併症を起こす可能性がある.各施設で様々な対策を講じることで膵瘻発生頻度は減少してきているものの,未だ解決されない問題であり,なかでも膵消化管吻合の手技重要な位置を占めていると考えている.当施設の膵頭十二指腸切除術は年間15-20例のいわゆるMedium volume centerであるが,膵瘻を低減すべく安全・確実な膵消化管吻合に細心の注意をはらっている.当施設での膵消化管吻合(膵空腸吻合:膵管膵実質空腸吻合+膵実質貫通密着縫合)の手術手技の工夫を報告する.【手術手技】1) 膵切離:残膵側の上下に5-0Proleneで止血目的に縫合した後,メスで一刀両断に行い,断端からの動脈性出血は5-0proleneで縫合止血し,多数存在する分枝膵管をすべて閉鎖する目的にソフト凝固で主膵管周囲を避けて断端全体を凝固する.2) 膵実質貫通密着縫合:3-0Proleneないし4-0Proleneを用い,膵断端全体の密着性を高めるため空腸側は2/3周性に大きく3-4針かける.3) 膵管膵実質空腸吻合:5-0PDS両端針を用いる.膵管膵実質に確実に糸をかけるために,まず主膵管腹側中央にかけて展開したのち,最低でも8針すべてを内―外で先に膵管側にかけておく.その後,主膵管の位置で小腸壁に吻合口を作成し後壁から順に小腸全層を縫合し結紮するが,カッティングを避けるために結紮時は助手の手で空腸を残膵側に寄せ,吻合部に緊張がかからないようにする.貫通糸を結紮する場合にも膵実質が裂けないように同様に助手の手で空腸を残膵側に寄せて緊張がかからないようにする.全例に5Frないし6Frの膵管チューブを用いたロストステントを留置して膵管膵実質空腸吻合の後壁の糸で固定している.【結果】2011年1月からこの方法で統一し,2012年12月までに33例行い,うち15例(45%)はsoft pancreasで,GradeB/C 11例(33%)に認めた.【結論】他施設と比べ当施設の膵瘻発生率は高値であり,手術手技のみならず周術期管理を含めさらなる工夫が必要である. |
索引用語 |
膵頭十二指腸切除術, 膵空腸吻合 |