セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-その他 2

タイトル 外P-120:

膵切除が体組成に及ぼす影響に関する検討

演者 宮本 敦史(国立大阪医療センター・外科)
共同演者 浅岡 忠史(国立大阪医療センター・外科), 山本 和義(国立大阪医療センター・外科), 池永 雅一(国立大阪医療センター・外科), 宮崎 道彦(国立大阪医療センター・外科), 池田 正孝(国立大阪医療センター・外科), 平尾 素宏(国立大阪医療センター・外科), 藤谷 和正(国立大阪医療センター・外科), 関本 貢嗣(国立大阪医療センター・外科), 中森 正二(国立大阪医療センター・外科)
抄録 【背景・目的】膵頭十二指腸切除(以下,PD)における膵切除や再建に伴う消化管経路の変更は,術後の消化・吸収に影響を及ぼし体組成の変化を惹起する可能性があるが,これまでのところ詳細な検討はなされていない.今回,我々はPDが術後の体組成に及ぼす影響について検討した.【対象・方法】対象は2011年12月までに施行したPD施行例のうち,術後1年目までに明らかな再発を認めなかった34例.BIA(Bioelectric Impedance Analysis)装置であるInBody 720を使用し,術前および術後に測定した体組成データを周術期の臨床因子とともに検討した.【結果】疾患の内訳はIPMN:12例,胆管癌:5例,十二指腸乳頭部癌:5例,膵頭部癌:4例,NET:4例,その他:4例で,術式はSSPPD:22例,PPPD:12例であった.34例の術前および術後1年目の体重は各々中央値で54.8Kg と52.1Kg,体脂肪量は12.1Kgと11.0Kg,骨格筋量は23.7Kgと23.1Kgであり,いずれも術後1年目で有意に減少していた(P<0.01,P<0.01およびP=0.02).体重の変化率は体脂肪量および骨格筋量の変化率と相関していた(各々r=0.78およびr=0.59,P<0.01).女性は男性と比較して体脂肪量,骨格筋量とも減少率が大きく,また,術前BMI高値例で体脂肪量,SSPPD施行例で骨格筋量の減少率が大きかった.34例中,術後2年目に体組成の測定が可能であった14例について体重,体脂肪量および骨格筋量を術後1年目の値と比較したが,いずれの値においても統計学的有意差は認めなかった.【結論】PD施行例では,術後1年目までに体脂肪および骨格筋がともに減少することによって体重が減少することが示唆された.
索引用語 膵切除, 体組成変化