セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)膵臓-症例 1 |
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タイトル | 外P-124:膵内副脾に発生したepidermoid cystの1切除例 |
演者 | 加藤 洋介(厚生連高岡病院・外科) |
共同演者 | 尾山 佳永子(厚生連高岡病院・外科), 村杉 桂子(厚生連高岡病院・外科), 吉田 周平(厚生連高岡病院・外科), 村松 賢一(厚生連高岡病院・外科), 出村 嘉隆(厚生連高岡病院・外科), 奥田 俊之(厚生連高岡病院・外科), 太田 尚宏(厚生連高岡病院・外科), 原 拓央(厚生連高岡病院・外科), 向 宗徳(厚生連高岡病院・病理科) |
抄録 | 症例は60歳男性.左鼠径ヘルニアの術前に施行した腹部CT検査で,偶然膵尾部に腫瘤を指摘された.腫瘍マーカーはCEA 1.2, DUPAN-2 60 SPAN1<10と正常で,CA19-9 52.9(37以下)と軽度上昇を認めた.造影MRI(オムニスキャン)では膵尾部の腫瘤は23×21mmで,T1強調像で低信号,T2強調像・拡散強調像で高信号であった.大部分は嚢胞性であったが,辺縁に造影される充実部分を認めた.PET-CTではFDGの集積を認めなかった.副脾内のepidermoidが疑われたが,solid and pseudopapillary tumor,膵嚢胞性腫瘍や壊死を伴った膵内分泌腫瘍などとの鑑別が困難で,膵尾部切除・脾合併切除を施行した.切除標本では辺縁に充実性部分を伴う単胞性嚢胞で,術中迅速病理診断で副脾内のepidermoidと診断された.術後にCA19-9は正常化した.膵内副脾は副脾全体の20%弱に見られ,画像上血流に富む類円形腫瘤であり,内分泌腫瘍などの多血性腫瘍との鑑別が問題となる.脾臓は中胚葉由来の臓器で管腔構造を欠くため,嚢胞性疾患を合併することは稀であるが,診断にはSPIO-MRI,スズコロイドシンチなどが有用とされ,膵嚢胞性疾患の鑑別診断として念頭に置く必要がある. |
索引用語 | 嚢胞性膵腫瘍, epidermoid |