セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

膵臓-症例 2

タイトル 外P-132:

膵癌腹壁転移の1切除例

演者 赤星 慎一(熊本労災病院・外科)
共同演者 清住 雄希(熊本労災病院・外科), 本岡 大和(熊本労災病院・外科), 山口 理沙(熊本労災病院・外科), 清田 礼孝(熊本労災病院・外科), 吉田 泰(熊本労災病院・外科), 井上 克彦(熊本労災病院・外科), 堀野 敬(熊本労災病院・外科)
抄録 【緒言】膵癌の腹壁転移は肝転移などと比較し,頻度の低い転移形式であり,症例報告が散見されるのみである.また,本疾患の治療に確立されたものはない.今回我々は,膵癌術後半年で腹壁転移を来たし,手術を施行した1例を経験したので報告する.【症例】症例は79歳,男性.膵体部癌の診断で平成24年2月に両側季肋下切開にて膵体尾部切除術を施行した.術後の病理診断ではInvasive ductal carcinoma,tubular adenocarcinoma,well to moderately differentiated,intermediate type,INFβ,ly1,v0,ne1,mpd(+),PCM(-),BCM(-),DPM(-),R0,pTS1,pT3(pS(+),pRP(+)),pN2,sM0,StageIVaの診断であった.術後経過は良好で,膵液漏など起こすことなく術後19日で退院となった.平成24年3月より術後補助化学療法として,S-1による化学療法を開始した.術後4カ月目より腫瘍マーカーの上昇を認め,術後6カ月目には皮膚切開部やドレーン刺入部よりやや離れた左側腹部に1cm大の腫瘤を触知した.CT でも皮下腫瘤が確認された.PET-CTで同部に異常集積を認め,膵癌の腹壁転移と診断した.他に肝転移などの遠隔転移は認めないことより切除の方針とし,平成24年10月腫瘤摘出術を施行した.その後,gemcitabine による補助化学療法施行中であり,現在のところ,明らかな再発や遠隔転移は認めていない.【考察】膵癌の腹壁転移は低頻度の転移形式であり,報告例は少ない.今後も詳細な症例報告の積み重ねが重要であると考えられる.切除を行った膵癌腹壁転移の1例を経験したので,本症例について若干の文献的な考察を加え報告する.
索引用語 膵癌, 腹壁転移