セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)膵臓-症例 3 |
---|---|
タイトル | 外P-135:術前化学放射線療法後に切除しえたG-CSF産生膵癌の1例 |
演者 | 佐藤 圭(横浜市立大・消化器・腫瘍外科) |
共同演者 | 森 隆太郎(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 松山 隆生(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 谷口 浩一(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 熊本 宜文(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 野尻 和典(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 武田 和永(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 田中 邦哉(横浜市立大・消化器・腫瘍外科), 遠藤 格(横浜市立大・消化器・腫瘍外科) |
抄録 | 症例は59歳,男性.背部痛を自覚し近医を受診した.膵体部腫瘍を指摘され,当科を紹介受診し,EUS-FNAで膵体部癌と診断された.血液検査所見では,成熟好中球を主体とした高度の顆粒球増多を認め,血清G-CSF=348pg/mlと高値であったこと,BCR-ABL転座が陰性で慢性骨髄性白血病が否定的であることからG-CSF産生膵癌と診断した.また,腹腔動脈に一部接したborderline resectableであったため術前化学放射線療法施行し,画像診断上の効果判定はSDであったが,白血球数,顆粒球数,血清G-CSF値は著明に減少し,効果ありと考えた.腹腔動脈幹合併膵体尾部切除,噴門側胃切除術を施行し,R0切除が可能であった.術前治療の効果判定はEvans分類Grade2Aであった.術後2か月現在,無再発生存中である.G-CSF産生腫瘍は比較的稀であるが予後不良な腫瘍であり,中でも膵癌の本邦報告例は自験例を含め16例と極めて稀である.さらに,術前化学放射線療法施行により根治切除しえた症例は自験例のみだった.G-CSF産生膵癌において,血清G-CSF値が病勢を反映し,効果予測マーカーとなりうる.また,術前化学放射線療法が有効である可能性が示唆された. |
索引用語 | G-CSF産生膵癌, 術前化学放射線療法 |