セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)その他-手術治療 1 |
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タイトル | 外P-138:食道胃静脈瘤治療後の長期予後の検討 |
演者 | 松井 恒志(富山大・消化器・腫瘍・総合外科) |
共同演者 | 澤田 成朗(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 吉岡 伊作(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 祐川 健太(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 三輪 武史(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 関根 慎一(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 橋本 伊佐也(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 渋谷 和人(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 北條 荘三(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 奥村 知之(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 吉田 徹(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 長田 拓哉(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 嶋田 裕(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 塚田 一博(富山大・消化器・腫瘍・総合外科) |
抄録 | 【はじめに】食道胃静脈瘤に対する治療成績は,良性疾患であることより10年あるいは20年といった長期的な経過観察の上で評価すべきである.また,肝疾患の程度や肝細胞癌併存の有無によって大きく異なることが予想され,それらについても十分考慮する必要性がある.今回われわれは食道胃静脈瘤症例の長期予後を明らかにするために,当科で経験した食道胃静脈瘤症例の背景因子,治療法を検討した.【対象】1979年11月から2003年12月までに当科で経験した食道胃静脈瘤症例に対し内視鏡的治療あるいは外科的治療を施行した196例を対象とした.【結果】全196症例の生存率は10年34.1%,20年21.3%であった.初回治療時に肝細胞癌は54例 (27.6%)に合併し,生存率が10年12.7%,20年0%であったのに対し,非合併症例では10年42%,20年28.2%と有意差 (p<0.0001)を認めた.Child-Pugh分類別ではGrade Aが103例 (52.6%),Bが63例 (32.1%),Cが30例 (15.3%)であり,10年生存率はそれぞれ44.4%,28.6%,10.7%と明らかな正の相関を認めた.初回治療として内視鏡治療はEIS 124例,EVL 18例であった.外科治療はHassab手術39例,食道離断術12例,その他3例であった.内視鏡治療の生存率は10年28.5%,20年21%で,外科治療は10年49.1%,20年23.3%と有意に外科治療が良好であった (p=0.03). Hassab手術と食道離断術の2群間には有意差はなかった.【考察】外科治療は肝機能が良好な症例で予防治療として施行される傾向があり,内視鏡治療に比較し予後良好な傾向がある.肝細胞癌合併は予後不良因子であり,初回治療時には肝細胞癌の合併と肝機能を考慮し,肝細胞癌に対する治療法を含めて,食道胃静脈瘤に対する治療選択が長期生存を得るために重要である. |
索引用語 | 食道胃静脈瘤, 長期予後 |