セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-手術治療 1

タイトル 外P-143:

潰瘍性大腸炎小児期手術症例の臨床的特徴

演者 池内 浩基(兵庫医大・炎症性腸疾患センターDELIMITER兵庫医大・外科(下部消化管外科))
共同演者 内野 基(兵庫医大・炎症性腸疾患センターDELIMITER兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 松岡 宏樹(兵庫医大・炎症性腸疾患センターDELIMITER兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 坂東 俊宏(兵庫医大・炎症性腸疾患センターDELIMITER兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 平田 晃弘(兵庫医大・炎症性腸疾患センターDELIMITER兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 佐々木 寛文(兵庫医大・炎症性腸疾患センターDELIMITER兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 竹末 芳生(兵庫医大・感染制御学), 冨田 尚裕(兵庫医大・外科(下部消化管外科))
抄録 (目的)潰瘍性大腸炎(以下UC)では,高齢者手術症例の増加が最近報告されているが,小児例の報告は稀である.そこで,15歳未満で手術となった症例の臨床的特徴を明らかにすることを目的に今回の検討を行った.(対象)対象は2012年12月までに当科で手術を行ったUC症例1441例で,15歳未満の手術症例は25例(1.7%)であった.(結果)1.成人例(1416例)との比較:1)臨床的特徴;性別,手術時の重症度には有意差を認めなかったが,病変の広がりは,小児例は24例(96%)が全大腸炎型で,成人例の1128例(79.7%)よりも有意に多数を占めた.緊急手術は小児例9例(36%)に対し成人例299例(21.1%)で小児例に多い傾向(p=0.07)を認めた.2)術前の内科的治療;(1)ステロイドは総投与量,術前投与量ともに有意差を認めなかった.(2)免疫調節剤は小児例では14例(44%)に使用されており,成人例の327例(23.1%)よりも有意に使用例が多かった.血球成分除去療法は成人例で併用していた症例が多い傾向を認めた.(小児例28%,成人例46.8%,P=0.06)2.小児手術症例の詳細:1)手術適応;緊急手術9例(大出血:5例,重症発作:4例)待機手術16例(難治例13例,ステロイドの副作用3例)であり,ステロイドの副作用の詳細は成長障害2例,圧迫骨折1例である.2)手術計画;3期分割手術11例,2期分割手術14例で1期的手術症例はなかった.3)周術期死亡:周術期死亡症例はなかったが,第1期手術後,軽快退院し,紹介医の病院で死亡した症例が1例存在するが,死因は不明である.4)長期経過:J-pouch-膣瘻を生じ2例が,難治性回腸嚢炎のため1例がストーマ再造設となっていた.5)特殊例:UC術後に胃癌を併発し,幽門側胃切除を受け,9年後にCMV感染による小腸穿孔のために緊急手術を要した症例が1例存在した.(結語)1.ステロイド使用量は成人と変わらなかった.2.緊急手術が多い傾向を認めた.3.女児例でpouch機能率が低い可能性がある.
索引用語 潰瘍性大腸炎, 小児