セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)その他-手術治療 2 |
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タイトル | 外P-147:当科における単孔式脾摘術19例の経験とその標準化 |
演者 | 三澤 健之(東京慈恵会医大・外科) |
共同演者 | 熊谷 祐(東京慈恵会医大・外科), 島田 淳一(東京慈恵会医大・外科), 奥井 紀光(東京慈恵会医大・外科), 筒井 信浩(東京慈恵会医大・外科), 柴 浩明(東京慈恵会医大・外科), 二川 康郎(東京慈恵会医大・外科), 脇山 茂樹(東京慈恵会医大・外科), 石田 祐一(東京慈恵会医大・外科), 矢永 勝彦(東京慈恵会医大・外科) |
抄録 | 【背景・目的】当科では単孔式内視鏡手術(単孔)の適応拡大の一環として早くから良性疾患に対する単孔脾摘を導入,種々の工夫を加えてこれを標準化し,良好な成績を得ている.当科の単孔脾摘の臨床成績を提示し,その適応についても考案する.【対象】2009年12月から施行した単孔脾摘19例を対象とした.平均年齢38±16歳,男:7,女:12,対象疾患は特発性血小板減少性紫斑病7,嚢胞性病変3,脾良性腫瘍3,脾動脈瘤2,肝硬変(肝障害度A)2,遺伝性球状赤血球症(HS)2例.【術式】臍部(1例で左側腹部)のSILS Portからアプローチ.5mmフレキシブルスコープ,彎曲鉗子,通常鉗子類を使用.胃脾間膜を切離し,膵上縁,脾門近くで脾動脈を体外結紮.さらに脾周囲間膜をベッセルシーラーで切離.布テープで脾門をencircleしてこれを挙上し,良好な視野展開を得る(当科考案のtug-exposure technique).自動縫合器アンビル部分による脾被膜や脾門損傷を回避する目的でアンビル部分にペンローズドレーンを被せて脾門に誘導.最後に脾動静脈を自動縫合器で一括切離.腫瘍例以外は回収バッグ内で一部脾実質を破砕してから体外に摘出.ドレーン留置は初期の6例のみで通常はなし.【結果】摘出脾重量の平均は286±147gで最大のものはHSの960g.19例中17例(90%)で単孔脾摘を完遂.他の1例でステイプリング用の12mmポートを1本追加(reduced port surgery).また彎曲鉗子の誤操作に因る脾門出血のため1例で開腹術に移行.平均手術時間213±77分,術中出血量138±288g,術後食事開始1.4±0.5日,術後入院期間5.8±2.4日.1例に術後一過性の血小板増多症を認め,バイアスピリンの投与を行った.ほかに術中・術後合併症なし(平均観察期間24±13カ月).術後の臍部創は殆ど視認できず,整容性に関する患者満足度も高かった.【結語】種々の工夫によって標準化された当科の単孔脾摘は脾重量1,000gまでの良性疾患に安全に施行可能で,整容性に優れる. |
索引用語 | 脾臓摘出術, 単孔式 |