セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-手術治療 2

タイトル 外P-148:

5mmポートからセプラフィルムを挿入する新規腹腔内挿入法(accordion fold method)の開発

演者 中瀬 有遠(西陣病院・外科)
共同演者 小泉 範明(西陣病院・外科), 高木 剛(西陣病院・外科), 福本 兼久(西陣病院・外科), 宮垣 拓也(西陣病院・外科)
抄録 【はじめに】腹腔鏡手術でのセプラフィルムの貼付法はいくつか報告があるが,10mmポートを使用したものが多い.近年,単孔手術を含むReduced port surgeryが広く行われるようになり,5mmポートが主に使用されている.そのため,我々は5mmポートからセプラフィルムを腹腔内に挿入し貼付する新規挿入法(accordion fold method)を開発したので報告する.【方法】セプラフィルム1枚を10等分(1枚は約3×6cm)し,それぞれを幅が5mmの蛇腹状になるように折り畳み,新規開発の直径5.9mmのステンレス管内に挿入する.腹腔内挿入時は5mmポートにステンレス管を差し込み,5mm鉗子でセプラフィルムの端を把持して押すことで腹腔内に入れることができる.腹腔内で鉗子を2本使用してセプラフィルムを広げ,腹膜縫合部や剥離面などに貼付する.【結果】腹腔鏡下鼠径ヘルニア根治術,胆嚢摘出術で使用したところ,すべての症例でセプラフィルムの挿入および貼付を円滑に行うことができた.複数回の挿入が可能であり,広い範囲に確実にセプラフィルムを貼付することができた.挿入に伴う術中および術後の合併症はなかった.【考察】腹腔鏡手術でも癒着が危惧される腹膜縫合部や肝床部の癒着を防止することで,腸閉塞のリスクの低下が期待でき,さらに,その患者が将来,別の疾患で腹腔鏡手術を受ける必要が生じた場合でも,癒着がないことで,より安全で確実な手術を受けることができると思われることから,腹腔鏡手術でも積極的に腹腔内の癒着防止に務めるべきであると思われる.本法は腹腔鏡手術時の癒着防止材の貼付法として有用であると考えられた.
索引用語 腹腔鏡手術, 癒着防止