セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-集学的治療

タイトル 外P-150:

外来化学療法用皮下埋込式中心静脈カテーテルの合併症の検討

演者 小杉 千弘(帝京大ちば総合医療センター・外科)
共同演者 幸田 圭史(帝京大ちば総合医療センター・外科), 鈴木 正人(帝京大ちば総合医療センター・外科), 山崎 将人(帝京大ちば総合医療センター・外科), 首藤 潔彦(帝京大ちば総合医療センター・外科), 村田 聡一郎(帝京大ちば総合医療センター・外科), 平野 敦史(帝京大ちば総合医療センター・外科), 白神 梨沙(帝京大ちば総合医療センター・外科), 吉村 雪野(帝京大ちば総合医療センター・外科)
抄録 【はじめに】近年外来通院化学療法の増加に伴い皮下埋込式中心静脈カテーテル件数は増加している.しかしながら件数増加に伴い合併症の報告も増加し,特に鎖骨下静脈経路におけるカテーテル損傷が問題視される.当科での皮下埋込式中心静脈カテーテル留置症例の留置経路別による合併症を検討する.【対象,方法】平成17年4月~平成24年2月に当科で埋込式中心静脈カテーテルを留置し,外来化学療法を施行した202例中,造設後1年間の経過観察が可能だった153例.平均年齢63.1±9.3歳,男性99例,女性54例.原病は胃癌2例,膵臓癌2例,大腸癌147例,乳癌2例だった.合併症(閉塞,血栓,亀裂,断裂,感染,露出)の頻度をカテーテル留置経路別に検討する.【結果】造設部位は鎖骨下静脈経路131例,内頚静脈経路22例.合併症は29例(18.9%)で認めた.部位別合併症発生率は鎖骨下28例21.8%,内頚静脈1例4.5%であり,内頚静脈経路留置例は合併症率が低い傾向にあった(p=0.06).合併症内訳は閉塞5例,血栓6例,亀裂4例,断裂3例,感染12例,露出2例.留置経路別に比較すると,すべての合併症で留置経路別で発生率の有意差は認めなかったが,感染で鎖骨下静脈経路が高い傾向にあった(p=0.14).カテーテル断裂例および亀裂を合わせたカテーテル損傷は鎖骨下静脈経路6例と内頚静脈経路1例で認め,統計学的有意差は認められなかった(p=0.99).断裂の3例はIVRによるカテーテル抜去術を施行したが,抜去不可能症例はなかった.【結語】鎖骨下静脈経路による皮下埋込式中心静脈カテーテル留置は,長期留置における合併症率は内頚静脈経路と比較し高い傾向にあるが,内頚静脈経路でも皮下トンネル内でのカテーテル屈曲によるカテーテル損傷をきたす危険性はある.特に外来通院化学療法施行症例は活動性が高い症例も多く,どの経路で留置した場合でもpinch off症候群や屈曲によるカテーテル断裂を考慮した管理が必要であると考えられた.
索引用語 外来化学療法, カテーテル