セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-集学的治療

タイトル 外P-152:

イマチニブ治療中のGISTへの外科治療介入の臨床的意義

演者 松原 長秀(兵庫医大・外科(下部消化管外科))
共同演者 小林 政義(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 濱中 美衣(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 山岸 大介(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 塚本 潔(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 山野 智基(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 野田 雅史(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 冨田 尚裕(兵庫医大・外科(下部消化管外科))
抄録 消化管間質腫瘍GISTには,原発巣切除後,転移・再発を来すものがあり,治療の原則はイマチニブの投与である.腹膜播種様に切除不能の再発形式を示す場合もありイマチニブが投与される.たとえよく奏功したとしてもイマチニブの効果は限定的で,PFSは2年とされている.耐性を獲得し再発してきたGISTに対し,切除を行うのか,スニチニブに切り換えて化学療法を継続するのか,明確な指診はない.耐性病変の切除によりPFSの改善が期待できるという報告があるが,その場合,出現してきた耐性病変のみを切除したことになるので,術後はそのままイマチニブを継続すべきなのか,あるいはスニチニブに切り換えるべきなのかもはっきり解っていない.今回,食道・胃を除く消化管に発生したGISTを検討した.なかでも,1996年の最初の腸間膜の巨大GIST(当時はGISTとの診断が得られず)切除後,1999年肝転移再発し,これに対して肝右葉切除を行った症例を中心に提示したい.この症例は,2000年に骨盤再発,また2001年に腹膜再発をおこし,その度に切除を繰り返した.その後,腹膜播種様の再発となったため,切除不能となった.GISTに対してイマチニブ認可前だったので,2002年よりイマチニブを輸入して投与開始した.これが劇的に奏功し,全ての腫瘤が消失,約10年間再発をおこさなかった.ところが2011年,骨盤に嚢胞様腫瘍出現した.画像上典型的なGISTと異なっていたため,増大スピードを考慮しながらスニチニブへの切り替えを予定していたが,肛門部の激痛出現したために,順緊急的に切除を行った.超低位前方切除の形で直腸と共に腫瘤を完全切除した.術後はイマチニブの継続あるいはスニチニブに切り換える選択肢があったが,イマチニブの投与期間が長いことを考慮してスニチニブに切り換えたが,議論の余地があろう.この症例を含めイマチニブ耐性のGISTに対する外科治療介入の意義,抗腫瘍薬の選択の仕方等について複数例を対象に検討する.
索引用語 GIST, イマチニブ