セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-集学的治療

タイトル 外P-153:

感染症性DICに対するトロンボモジュリン製剤使用例の検討

演者 出村 嘉隆(厚生連高岡病院・外科)
共同演者 太田 尚宏(厚生連高岡病院・外科), 村杉 桂子(厚生連高岡病院・外科), 吉田 周平(厚生連高岡病院・外科), 村松 賢一(厚生連高岡病院・外科), 加藤 洋介(厚生連高岡病院・外科), 奥田 俊之(厚生連高岡病院・外科), 尾山 佳永子(厚生連高岡病院・外科), 原 拓央(厚生連高岡病院・外科)
抄録 【目的】播種性血管内凝固症候群(以下,DIC)に対する,新規抗凝固療法として遺伝子組換え型トロンボモジュリン(以下rTM)が使用可能となった.当科で経験した感染症性DIC症例 に対するrTMの有用性を検討した.【方法】対象は,2009/05/01 - 2012/12/31の期間に,当科においてDICと診断され,rTMを治療に用いた31例である.患者背景,治療内容,転帰,各種マーカーの推移について検討を行った.【成績】年齢は,平均75.7歳(61-97歳),性別は男:女,22:9であった.基礎疾患は26例(83.9%)に認めた.原疾患は,急性腹症12例,術後合併症4例,進行癌症例11例,その他4例であった.治療方法では,rTM単剤18例(58.1%),rTMとAT-III製剤の併用12例(38.7%),rTMとメシル酸ガベキサートの併用1例(3.2%)であった.18例(58.1%)に外科的処置が併施されている. rTMの平均使用日数は6.7日であった.DIC離脱率は71.0%であり,平均DIC罹患期間は6.3日間(1-12日間)であった.DIC罹患後30日間生存率は67.7%であった.出血性合併症は認めなかった.各種マーカーのday0(診断日)とday7の値を比較すると,血小板数(x104/μl)は,8.0:13.8:p<0.01で有意な改善を認めた.AT-III値(%)は,52.7:63.2:N.S.と改善傾向にあるも有意差なし.SOFA scoreは,6.3:5.0:N.S.と改善傾向にあるも有意差なし.DIC scoreは,5.6:2.8:p<0.01と有意に改善を認めた.【結論】rTM使用例におけるDIC離脱率は71.0%であり,SOFA scoreの推移に比較して,DIC scoreの有意な改善を認めており,DICの治療においてrTMは有用であると考えられた.
索引用語 播種性血管内凝固, トロンボモジュリン