セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-集学的治療

タイトル 外P-154:

消化器外科領域におけるトロンボモデュリン製剤の使用の現況

演者 丸山 常彦(日立製作所日立総合病院・外科)
共同演者 酒向 晃弘(日立製作所日立総合病院・外科), 柳谷 昌弘(日立製作所日立総合病院・外科), 山本 雅樹(日立製作所日立総合病院・外科), 大和田 洋平(日立製作所日立総合病院・外科), 徳永 蔵人(日立製作所日立総合病院・外科), 安西 紘幸(日立製作所日立総合病院・外科), 吉岡 佑一郎(日立製作所日立総合病院・外科), 高橋 遍(日立製作所日立総合病院・外科), 安田 幸嗣(日立製作所日立総合病院・外科), 青木 茂雄(日立製作所日立総合病院・外科), 三島 英行(日立製作所日立総合病院・外科), 上田 和光(日立製作所日立総合病院・外科), 奥村 稔(日立製作所日立総合病院・外科)
抄録 【目的】消化器外科領域において,汎発性血管内凝固症候群(DIC)に対するトロンボモデュリン(TM)製剤の使用の現況と,その有効性について検討した.【方法】2010年6月より2012年9月まで当科において手術を施行しTM製剤を使用した21例を対象として,背景因子,各種DIC診断基準との関連,DIC離脱率,転帰について後ろ向きに検討した.【成績】年齢は59-92歳,男女比は15:6.定時手術が10例,緊急手術症例が11例であった.TM製剤開始時点での急性期DIC診断基準で15例(71.4%)がDICの基準を満たしており,3例はTM製剤開始後にDIC基準を満たし,3例は予防的投与であった.一方,厚生省DIC基準では6例が確診,7例が疑いで,8例は基準を満たしていなかった.DIC離脱率は予防投与例を除くと44.4%で,すべて8日以内に離脱していた.転帰は死亡が12例(57.1%),軽快が9例(42.9%)であった.急性期DIC診断基準でDICを満たした15例は厚生省DIC診断基準で確診6例,疑い7例,可能性が少ない2例であり,確診例はすべて死亡していた.【結論】消化器外科領域においてはTM製剤を使用してもDICの予後は不良であった.DICから離脱できる症例はすべて8日以内であった.厚生省DIC診断基準での確診例はすべて死亡しており,急性期DIC診断基準を用いて速やかに診断し,治療を早期に行うことが重要と思われた.
索引用語 トロンボモデュリン, 汎発性血管内凝固症候群