セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)その他-周術期管理 1 |
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タイトル | 外P-155:消化器外科術後における微量元素製剤の投与意義についての検討 |
演者 | 渋谷 和人(富山大・消化器・腫瘍・総合外科) |
共同演者 | 長田 拓哉(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 祐川 健太(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 三輪 武史(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 関根 慎一(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 橋本 伊佐也(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 渡邊 智子(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 北條 荘三(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 松井 恒志(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 吉岡 伊作(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 奥村 知之(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 澤田 成朗(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 吉田 徹(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 嶋田 裕(富山大・消化器・腫瘍・総合外科), 塚田 一博(富山大・消化器・腫瘍・総合外科) |
抄録 | 【目的】鉄は赤血球造血などに関わる生体に必須な微量元素であるが,過剰になると血漿中ではトランスフェリンへの鉄結合の割合が増す.その結果トランスフェリン飽和度が上昇すると不安定鉄である非トランスフェリン結合鉄(NTBI)が出現し,Fenton反応などを介して活性酸素種であるヒドロキシラジカルが産生され,これにより細胞障害が起きる.鉄過剰となる原因の一つとして鉄剤の静脈内投与があげられる.ASPENガイドラインでは高カロリー輸液(TPN)療法患者への日常的な鉄の投与を推奨していない.しかし,本邦では多くの施設でTPN施行時に鉄を含む微量元素製剤がルーチンに使用されているのが現状である.今回我々は,消化器外科の術後における微量元素の動態について評価し,微量元素製剤の投与意義についての検討を行った.【方法】2012年11月から2013年3月までの期間中に当科で施行した消化器外科手術症例のうち,周術期に鉄剤投与,RCC輸血がなされなかった14例を対象とした.事前に患者に同意を得た上で,術後に微量元素製剤を投与する群(あり群)と投与しない群(なし群)に分け,Hb,Ht,血清鉄,トランスフェリン,TIBC,血清フェリチン,血清亜鉛,血清銅などを経時的に測定し解析した.【成績】あり群は6例,なし群は8例であり,年齢,性別,術中出血量,手術時間,術後絶食期間,TPN投与期間に差はなかった.術後の血清鉄,トランスフェリン,TIBC,血清フェリチン,血清亜鉛,血清銅の推移に差はなかった.Hb,Htの推移にも差はなかった.血清鉄とトランスフェリンの比を経時的に比較すると,あり群で有意差を持って比の上昇がみられた.【結論】術後,微量元素製剤を投与することでNTBIが上昇し鉄過剰となっている可能性が示唆された.術後の微量元素製剤は病態に応じた投与方法を検討する必要性があると考えられた. |
索引用語 | 微量元素, 鉄 |