セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-代謝・栄養

タイトル 外P-167:

肝胆膵手術周術期栄養サポートチーム(HBP-NST)の活動について

演者 松田 真輝(都立墨東病院・外科)
共同演者 脊山 泰治(都立墨東病院・外科), 稲田 健太郎(都立墨東病院・外科), 宮田 陽一(都立墨東病院・外科), 真栄城 剛(都立墨東病院・外科), 宮本 幸雄(都立墨東病院・外科), 梅北 信孝(都立墨東病院・外科), 星野 まり(都立墨東病院・検査科), 水田 陽子(都立墨東病院・検査科), 大西 玲子(都立墨東病院・検査科), 小山 里美子(都立墨東病院・栄養科), 白石 由紀子(都立墨東病院・栄養科)
抄録 【緒言】肝胆膵外科手術はほとんどの症例で低アルブミン血症となり,栄養サポートによる改善が望ましいとされている.近年,周術期のnutrition support team(NST)の活動が注目を浴び,重要性が増しているが,肝胆膵外科周術期の栄養評価法,NST介入の効果については不明な点が多い.【方法】肝胆膵外科医,NSTメンバー,検査科,栄養科で構成されたHBP-NST(Hepato-Biliary-Pancreatic Surgery Nutrition Support Team)を立ち上げ,栄養評価,介入について検討した.2012年11月から2013年1月までの3ヶ月間で施行された23例の肝胆膵手術症例を対象として,HBP-NSTが栄養管理に関わった.周術期栄養状態の評価は,一般スクリーニング検査に加えて,検査項目にNSTセットを設定し,Rapid Turnover Protein(RTP)としてプレアルブミン,トランスフェリン,レチノイン結合タンパクを測定した.アルブミン製剤使用は,血液製剤の使用指針および検査科からの助言を元に決めた.消化管再建を施行した症例では,術後栄養指導を行った.周術期の栄養状態の評価,栄養指導,術後のアルブミン使用量について検討した.【結果】症例の内訳は肝疾患9例,胆道疾患8例,膵疾患6例であり,術式は肝切除13例,PD5例,膵体尾部切除4例,膵全摘1例であった.RTPもAlb同様に術後急激に低下するが,立ち上がりがAlbよりも早い傾向を示す場合があり,今後血清Alb値に変わる新たな栄養指標となりうると考えられた.肝硬変合併の術後縫合不全をきたしたPD症例で術後にアルブミン製剤を使用したが,それ以外の22症例は術後のアルブミン製剤の使用はなかった.消化管再建を要した6症例のうち5症例で術後栄養指導を受け,その後外来でも継続された.【結語】肝胆膵外科領域においても,NSTの活動により周術期管理の質を高めることができる.
索引用語 NST, 肝胆膵手術