セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
肝臓-鏡視下手術 1
|
タイトル |
外P-168:肝右葉背側病変に対する経胸腔アプローチ鏡視下手術の有用性
|
演者 |
合川 公康(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科) |
共同演者 |
宮澤 光男(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 岡田 克也(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 渡邊 幸博(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 岡本 光順(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 山口 茂樹(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科), 小山 勇(埼玉医大国際医療センター・包括的がんセンター消化器病センター消化器外科) |
抄録 |
【背景・目的】腹腔鏡下肝部分切除はその安全性,低侵襲性が認められつつある.しかしながら,肝右葉頭側,背側に局在する腫瘍を切除する場合,通常の腹腔鏡アプローチでは腫瘍頭側の視野確保や鉗子操作が困難であり,頭側のサージカルマージンが不十分になる可能性がある.我々は,通常の腹腔鏡アプローチに加え,経胸腔的にアプローチすることにより,肝右葉の頭側,背側にある肝腫瘍切除に対応している.今回は,その手技の有用性,安全性を検討した.【方法】対象は2008年1月から2013年3月まで,当院で行われた鏡視下肝切除85例のうち,通常腹腔鏡アプローチに加え経胸腔ポート(TTP)アプローチを追加した8例,完全胸腔鏡下(TH)により腫瘍を切除した3例を対象とした.疾患の内訳は,肝細胞7例,転移性肝癌2例,肝嚢胞性胆管腫瘍1例,肝内胆管癌1例,腫瘍の大きさは1.3-5.0cmであった.経胸腔的アプローチの適応として,腫瘍が肝右葉背側(IVCよりも背側)にあり,肝表面に存在し,長径が5cm以下と設定した.上腹部に開腹歴がある症例はTHを選択した.TTP:左側臥位,分離肺換気で手術を開始.腹腔内には3-4箇所にポートを留置し,肝と横隔膜の癒着を確認後,右肺を虚脱させ,中腋窩線9肋間よりバルーン付き12mmトロカールを経胸的に横隔膜を貫いて留置し,病変へアプローチした.TH:左側臥位,分離肺換気で手術を開始.12,12,5mmの3ポートにて胸腔内にアプローチし,腫瘍近傍で横隔膜を切開し病変へアプローチした.【結果】手術時間は153-390分,出血量は40-500ml.胸部合併症,呼吸機能低下は認めなかった.すべての症例で病理学的切除断端は陰性であった.【結語】 胸腔アプローチにより通常の腹腔鏡のみでは切除が難しい右葉頭背側の病変へのアプローチが容易となり,鏡視下肝切除の適応拡大に寄与すると考えられた. |
索引用語 |
腹腔鏡下肝切除, 胸腔鏡下肝切除 |