セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-鏡視下手術 1

タイトル 外P-173:

当科における鏡視下肝切除(完全鏡視下肝切除の標準化に向けて)

演者 前田 一也(福井県立病院・外科)
共同演者 松永 正(福井県立病院・外科), 浅海 吉傑(福井県立病院・外科), 平能 康充(福井県立病院・外科), 宮永 太門(福井県立病院・外科), 道傳 研司(福井県立病院・外科), 服部 昌和(福井県立病院・外科), 橋爪 泰夫(福井県立病院・外科)
抄録 腹腔鏡下肝切除は,近年多くの施設で導入されてきており,今後も更なる発展が期待される術式である.当科でも2011年から本術式を導入し,徐々に適応を拡大してきている.最近の1年間では,肝切除の約60%を鏡視下(補助下を含む)に施行している. 2011年から現在までに計35例に対して腹腔鏡下肝切除を施行した.原発性肝癌が19例,転移性肝癌が15例,その他が1例であった.術式は腹腔鏡補助下手術が7例,用手補助下手術が2例,完全鏡視下手術が26例であった.手術時間は中央値で253分,出血量は中央値で233mL,重篤な術後合併症は認めず,平均術後在院日数は13日であった.導入当初は当院での開腹肝切除術に準じてCUSAまたはLCSとバイポーラで肝切離を行っていたが,肝切離面からの出血への対応に苦慮する場面が多かった.また鏡視下肝切除では肝切離の進行とともに予定した切離面から外れるケースが多いと感じた.最近では,肝切離時に術者の左手に鋏,右手にエネルギーデバイスを持ち,前凝固後に左手の鋏を用いて切離を行うようにしている.この方法を用いることで切除部位や切除量によらず安定した切離が可能となってきている.当然のことであるが,腹腔鏡下肝切除の鍵は安定した肝切離手技であると考えられる.当科では,肝切離手技の定型化に伴い鏡視下肝切除の適応を左葉系の系統切除やS7やS8に対する部分切除にも拡大し良好な結果を得ている.その手術手技について報告する.
索引用語 腹腔鏡下肝切除, 手術手技