セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

肝臓-鏡視下手術 2

タイトル 外P-175:

腹腔鏡下肝切除の短期成績

演者 廣川 文鋭(大阪医大・一般・消化器外科)
共同演者 林 道廣(大阪医大・一般・消化器外科), 宮本 好晴(大阪医大・一般・消化器外科), 朝隈 光弘(大阪医大・一般・消化器外科), 米田 浩二(大阪医大・一般・消化器外科), 清水 徹之介(大阪医大・一般・消化器外科), 井上 善博(大阪医大・一般・消化器外科), 内山 和久(大阪医大・一般・消化器外科)
抄録 【目的・方法】腹腔鏡下(補助下)肝切除術は,近年急速な広がりをみせているが,現時点での評価は不明である.当科の適応は,脈管侵襲(-),リンパ節郭清不要,5cm以下,切除が2ヶ所までとして,2013年3月までに部分切除90例(18例),外側区域切除21例(10例)の1118例に施行した.今回,retrospectiveであるが自験例を元に腹腔鏡下(補助下)手術と開腹手術を比較検討した.また部分切除は肝尾側群(S2-S6)と頭側群(S7/S8)に分け検討した.【成績】完全腹腔鏡下外側区域切除では,患者背景が同じくして,出血量(50mlvs200ml)・手術時間(120分vs250分)と有意に腹腔鏡下群で少なく,術後のWBC/CRPの推移でも低い傾向であり,合併症にも差を認めなかった.また腹腔鏡下(補助下)部分切除では,開腹群でICG値は高い傾向であったが,肝尾側群で,出血量(60mlvs230ml),手術時間(190分vs215分) ,術後入院日数(9日vs14日)は有意に短かった.さらに,頭側群では手術時間(245分vs230分)には差を認めなかったが,出血量(150mlvs430ml)は有意に少なかった.また,合併症や術後入院日数にも差を認めなかった.【結論】腫瘍が肝尾側に存在する症例にたいする部分切除あるいは完全腹腔鏡下外側区域切除は,Glisson鞘や肝静脈の露出にこだわらなければ,簡略化・定型化された術式となり,有用であると考えられた.しかし,腫瘍が肝頭側に存在する場合,手術時間も長い傾向にあり,まだまだ研鑽が必要である.
索引用語 腹腔鏡下肝切除, 短期成績