セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)肝臓-鏡視下手術 2 |
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タイトル | 外P-177:当科における腹腔鏡下肝切除の現況と今後の課題 |
演者 | 速水 晋也(和歌山県立医大・2外科) |
共同演者 | 上野 昌樹(和歌山県立医大・2外科), 重河 嘉靖(和歌山県立医大・2外科), 山口 俊介(和歌山県立医大・2外科), 谷 眞至(和歌山県立医大・2外科), 川井 学(和歌山県立医大・2外科), 岡田 健一(和歌山県立医大・2外科), 廣野 誠子(和歌山県立医大・2外科), 宮澤 基樹(和歌山県立医大・2外科), 清水 敦史(和歌山県立医大・2外科), 堀田 司(和歌山県立医大・2外科), 山上 裕機(和歌山県立医大・2外科) |
抄録 | 【はじめに】腹腔鏡下外側区域切除術・部分切除術は既に保険収載され,肝切除における腹腔鏡下手術は必須となりつつあり,さらには区域切除以上の肝切除にも応用されている.当科でも2008年より腹腔鏡下肝切除を導入しており,当科における腹腔鏡下手術の現況を考察し,今後の課題を検討する.【対象と方法】当科では2008年から2013年2月末までに44例の腹腔鏡下手術を施行した.腹腔鏡手術症例の年次経過・患者因子・手術因子等につき解析を施行した.【結果】当科においても腹腔鏡下肝切除は年々増加しており,2012年には20例(当科の全肝切除症例の21%)であった.対象疾患は肝細胞癌30例・転移性肝癌11例・肝内胆管癌1例・良性腫瘍2例であり,背景肝はChild-Pugh A/B:39/5と良好であった.手術術式はpure-lap31例・腹腔鏡補助下10例・HALS2例・開腹移行を1例認め,内訳は部分切除27例・亜区域切除8例・外側区域切除7例・後区域切除2例であった.開腹既往のある症例でも術前超音波を施行し,腹壁と腹腔内の癒着を判定でき,9例に安全に腹腔鏡手術を施行した.平均手術時間は230±143(min.),平均出血量は265.8±395.7(ml),輸血を施行した症例は1例のみであった.前期群(~2012年)/後期群(2012年~)で群別比較すると211±117/251±167(min.)と後期群において手術時間が長くなっている傾向に対し,出血量は283.7±445.0/245.3±340.4(ml)と後期群において減少する傾向にあった.合併症としてはイレウス・bilomaを3例に認めたがいずれも保存的に加療でき,術後平均在院日数は7.8日であった.【考察】当科における腹腔鏡下肝切除は安全に施行できていると考えられる.現時点では部分切除が大半を占めているが(61.3%),今後系統的切除を含む亜区域以上の肝切除も要求が高まると考えられ,安全に導入していく予定である. |
索引用語 | 腹腔鏡手術, 肝切除 |